(たかみむすびのかみ)
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)の次に高天原に出現した独神。
高天原の最高司令神。
どんな神様?
「産霊」(むすひ)は生産・生成を意味する言葉で、
「神皇産霊神」(かむむすび)とともに、
万物を生み出す霊妙な生成力を表します。
古くから皇室の祭祀において重要視された神で、
豊穣を感謝する秋の「大嘗祭」(だいじようさい)や
春の「祈年祭」(としごいのまつり)に祀られています。
また「高木神」という別名の通り、
草木植物の生成、更には農耕の成就を司る神様とされています。
「造化三神」には性別はない独神ですが、
「高御産巣日神」(たかみむすびのかみ)は「男性神」、
「神産巣日神」(かみむすびのかみ)は「女性神」とし、
一対の男女の産霊の神様と考え、
元は同一の神格だったとも言われています。
主に、天照大御神の背後で重要な決定を行うという、
高天原の中枢にいる長老といったポジションで、
天照大御神とともに高天原の最高司令官として、
祭事から政治、軍事関係まで、
様々な命令を発動する権力者として記されています。
天津神の「葦原中国平定」や「天孫降臨」の際には、
天照大御神と共に、神々に派遣を司令しました。
また「神武東征」では、天皇を助けるため、
天照大御神と共に
熊野の高倉下の夢に現れて横刀「布都御魂の太刀」を高倉下に授けたり、
進軍の先導役として天から八咫烏を遣わしました。
もっぱら天孫系神話で活躍しています。
『古事記』では、
天照大御神の御子神・天忍穂耳命(あめのおしほみみ)が、
高御産巣日神の娘・万幡豊秋津師比売命(よろずばたとよあきつしひめ)と
結婚して生まれたのが、天孫・邇邇芸命(ににぎのみこと)です。
別称
ご利益
高御産巣日神は、創造、発展、完成の神様です。
生成、開運招福、無病息災、延命長寿のご利益があります。
また、「産霊」(むすび・産巣日)の神様であることから、
作物を育てる五穀豊穣のご利益や、
むすび=結ぶという意味から縁結びのご利益があるともされています。
- 農耕守護(五穀豊穣)
- 延命長寿
- 無病息災
- 諸願成就
- 開運招福
- 厄除け
- 縁結び
神格
- 天神地祗の祖神
- 生命力の本源神
- 高天原の最高司令官
関連神
- (御子神)
思金神 ・・・知恵の神 - (御子神)
万幡豊秋津師比売命 ・・・天忍穂耳命 の妻となり、
天火明命 、邇邇芸命 を生む