縁起物

手拭い

手拭いの起源は諸説ありますが、 その原形は古くは奈良時代とも言われ、 手拭いが神仏の像や飾り付けなどの清掃に使われるのが一般的でした。 平安時代になると、 神具として神事に身に纏う装束として使われるようになりましたが、 布が貴重なものだったため…

団扇(うちわ)

「うちわ」は漢字で「団扇」と書きます。 「団」は丸い物を表現する漢字です。 「扇」は風をあおぐ(扇ぐ)という意味です。 「あおぐ」「あおぐ」・・・「おうぎ」・・・っとなったそうです。 団扇(うちわ)には、 扇いで風を起こし、神の気配を強める働き…

蚊帳(かや)

「蚊帳」は夏に虫除けのために吊るしますが、 伝統的には魔除けの意味もありました。 古来日本人は「ヘンプ」(麻)を大いに活用してきました。 ヘンプはアサ科の植物です。 繊維素材として使われる「麻」は、 元々日本に自生し、活用されてきました。 紀元…

箒(ほうき)

「ほうき」は「箒」と書き、 古くは「ははき」と言いました。 箒には、「箒神」(ははきがみ)という 出産に関わる神様が宿ると言われています。 赤ちゃんが生まれる部屋に 箒を立ててお酒を供えたり、 妊婦のお腹を箒で撫でる習慣がありました。 安産を祈る…

お守り犬、犬張り子(いぬはりこ)

「犬張り子」(いぬはりこ) は、 江戸時代に作られた犬の立ち姿の張り子玩具のことで、 犬はお産が軽く、また多産であることにあやかって 古くから安産のお守り・お宮参りの祝いものとして、 広まっていきました。 また犬の子は病気をせずにスクスク育つこ…

お守り

「お守り」とは、一般的に社寺で販売されている護符や お札が入っている小さい袋型の縁起物で、 神様の力が宿っているとされているものです。 神のご加護を得るために身に着けていたとされる「勾玉」が始まりで、 平安時代にはお守りは既にあったとされてい…

縞(しま)

筋を平行に並べた、 あるいは縦横に交差させた連続模様のことで、 「よこ縞」と「たて縞」、「斜め縞」、「格子縞」があります。 室町時代から江戸時代にかけて輸入された「名物裂」の中に、 「間道」(かんとう)と呼ばれる異国情緒の「縦縞」があり、 これ…

格子(こうし)

細い木を縦横に組んだ格子戸のような文様であることから、 「格子」の名で呼ばれることになりました。 元々は「格子縞」と言いました。 江戸時代には、縞の流行とともに、線の太さや密度などによって 格子のバリエーションが増えました。 印象的なのは、格子…

絵馬(えま)

「絵馬」とは、 ご祈願やお礼参りの際に神社に奉納する 絵を描いた板のことです。 おみくじを結ぶのとは違って、 「奉納する」ものであるところがポイントです。 絵馬の起源 絵馬の正しい書き方 どこに書く? 縦書き?横書き? お願いごとはどのように書く?…

小さな点を前後左右に並べることによって、 生まれる文様もあります。 大小の点で文様を表した「霰文」(あられもん)、 絞り染めで点を表した「鹿の子文」(かのこもん)、 点の並べ方によって文様を表した 「鮫小紋」(さめこもん)や「行儀小紋」(ぎょう…

檜垣(ひがき)

「檜垣」とは、 檜(ひのき)の薄板を 網代(あじろ)に編んで作った垣根のことを言います。 その網目の形を文様化したものは、 着物や帯の柄として好まれ、白生地の地紋にも用いられています。

紗綾形(さやがた)

「紗綾形」とは、 卍の字を斜めに崩し、組み合わせて連続模様にしたもので、 「卍崩し」「卍繋ぎ」「雷文繋ぎ」などとも呼ばれます。 桃山時代に明から伝わった織物「紗綾」の地紋に使われていたために この名が付けられました。 「不断長久」( 絶えること…

網目(あみめ)

「網目文様」は曲線を交差させ繋いだ形の文様です。 漁師の網の目の形になる事から「網目文様」と呼ばれるようになりました。 前後左右に連続するリズミカルな曲線が美しく、 江戸時代になってから文様に用いられるようになり、流行。 陶磁器の文様や小紋・…

籠目(かごめ)

竹などで編んだ籠の網目をそのまま文様化したものです。 「籠目模様」は、 単純に編んだ竹の籠の網目から生じた文様ですが、 葦・水鳥・柳などの 水辺のものと合わせて意匠化されることが多い文様です。 元々は武将達が夏に着る 「帷子」(かたびら)に用い…

立涌(たちわき、たちわく)

「立涌」は 「たちわき」とか「たちわく」とも呼ばれ、 2本の曲線を用いて 水蒸気がゆらゆらと涌き立ち昇っていく様子を表す 「有職文様」のひとつです。 古代Chinaから伝来した唐草文様の一種が、 平安時代の和風化とともにこの形になったとの説もあります。…

蜀江(しょっこう)

「蜀江」という名前は、 Chinaの三国時代に、 魏、呉と共に三国時代を形成した蜀(しょく)にあった 「蜀江」という河の名前に由来しています。 「蜀江」は、 現在の四川省・成都付近を流れる揚子江上流にあった河で、 古くから良質な絹織物の産地として知ら…

青海波(せいがいは)

「青海波」は 水面に見える波頭を幾何学的に捉えて文様化したもので、 エジプトやペルシャを始めとして 世界各地で見られる文様です。 日本でも古くは埴輪の着物の内に見られますが、 意外なことに水を意味する文様として描かれ始めるのは 鎌倉時代からです…

七宝(しっぽう)

同じ大きさの円を円周の4分の1ずつ重ねていく文様で、 有職文様では「輪違」(わちがい)と呼びます。 光を表す菱のような形と、花びらのような形の組み合わせが見えるという 仕掛けになっています。 「七宝」とは仏教の用語で七つの宝物を示す言葉であり…

亀甲(きっこう)

亀は「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるように、 長寿吉兆の縁起の良いものとされてきました。 「亀甲」とは亀の甲羅のことです。 亀の甲を焼いてそのひび割れの方向で占いをし、 神の意と考えていました。 また「亀甲文様」は 正六角形(亀の甲)を上…

石畳(市松)

形や大きさの同じ文様が、地と交互に入れ替わる模様構成を 「入替り文様」と言います。 「石畳(甃)文様」もその一つで、 一般的には、色の違う正方形を上下左右に敷き詰めた格子状の文様、 いわゆるチェック柄と同様の模様です。 平安時代には細かい「石畳…

鱗(うろこ)

「鱗文様」は「入れ替わり文様」を代表する文様であり、 正三角形または二等辺三角形を連続して配した文様です。 三角形と三角形を四方に連ねると、 その頂点が接することで、三角形の間に新たな三角形が出来ます。 三角形の連続する様子を魚や蛇の鱗に見立…

麻の葉

「麻の葉」(あさのは)は正六角形の幾何学文様で、 6個の三角形を組み合わせ、それを四方に繋ぎ合わせたもので、 形が大麻の葉に似ていることから、この名が付けられたと言われています。 文様そのものは古くからあり、 平安時代の仏像にも「雁金技法」に…

背守り(せまもり)

「背守り」とは、乳幼児の上衣の背につけるお守りのことを言います。 昔の人は「目」には魔除けの力があると信じており、 「背縫」いの「縫い目」にも 背後から忍び寄る魔を防ぐ力があると考えていました。 ところが、赤ちゃんが着る着物は背の部分が一枚布…

土鈴(どれい)

「土鈴」(どれい)は、 縄文時代から粘土を焼いて作られているほど 歴史の古い縁起物です。 いつの頃からそうなったかは定かではありませんが、 「厄除け」とか「魔除け」のお守りとされてきました。 「土鈴」とは 「土鈴」の起源 土鈴の種類 鈴の音 「土鈴…

ビリケンさん

ビリケンさんの元祖は、 今から百年程前に、米国の女性芸術家、 フローレンス・プリッツという女性が、 夢に出てきた不思議な人物をモデルに作ったものです。 当時の米大統領のウィリアム・ハワード・タフトの ウィリアムの愛称「ビリー」に、 小さいを表す…

福助人形(ふくすけにんぎょう)

裃をつけて正座をし、おじぎをする ちょんまげ頭の男性の人形「福助人形」。 江戸時代(1603年~1868年)の 中期頃に作られ始めたと言われています。 「福助人形」は縁起の良い人形で、 「商売繁盛」「千客万来」「出世開運」「福徳招来」 「長寿」「幸福」…

赤べこ

「赤べこ」は福島県会津若松市の郷土玩具です。 その頭にちょこんと触れれば、 ゆらゆらと揺れる姿が可愛らしい 張り子で作られた赤い牛の縁起物です。 古くは「厄除け牛」や「幸運の牛」と呼ばれ、 魔除けや疫病除けの縁起物として 会津の人々に親しまれて…

招き猫

「招き猫」は古来より、 開運招福や千客万来、商売繁盛をもたらす 縁起の良い置物として、 多くの日本人に愛用されてきました。 招き猫の種類は様々で、 それぞれにご利益も異なります。 歴史 招き猫の種類 招く手の高さ 招き猫の色とご利益 三毛猫は幸運を…

狛犬(こまいぬ)

神社を参拝すると、参道の両脇や本殿の前などに、 一対で置かれた石製の「狛犬(高麗犬・胡麻犬・駒犬)」を 見かけます。 「狛犬」は、邪気を祓い、神前を守護するものの一つです。 石製のものを多く目にしますが、 屋内に置かれるものは木製が多く、 この…

福来雀・福良雀(ふくらすずめ)

日本の夏の風物詩「金魚」は、縁起の良い魚です。 金魚を飼うだけでなく、 金魚をモチーフにしたお守り、金魚グッズなどを携帯したり、 絵や写真を見るだけでも効果があると言われています。 平安時代になると、それまでの異国的なものから 日本的なものを好…