産土神・氏神・鎮守神

一般に、土地の神様を
「産土神」(うぶすなさま)「氏神様」(うじがみさま)
あるいは「鎮守様」(ちんじゅさま)と呼ぶことが多いのですが、
それぞれ、どのような違いがあるのでしょうか。
 

 
「産土」(うぶすな)とは、それぞれの人がが生まれた土地のことで、
「産土神」(うぶすながみ)とは、
生まれた土地の鎮守あるいはそこに祀られる神様で、
引越しをしても、その人を一生見守ってくれるありがたい神様です。
地縁関係で結ばれるため、移動することはありません。
産土神が鎮座する周辺の地域に暮らしている人を、
その神社の「産子」(うぶこ)と呼びます。
赤ちゃんの誕生後1カ月目にお参りする初宮詣は、
「産土参り」(うぶすなまいり)と呼ばれたりもします。
 

 
 
「氏神様」(うじがみさま)は、
同じ祖先を持ち、血縁関係のある集団の氏族が
共同で祀った「祖神様」(おやがみさま)
一族を守って下さる神様である「守護神」のことです。
古代は氏姓制度で氏族毎に集落をつくっていたため、
そこに創建された神社が「氏神」となりました。
現在でも、それぞれ居住する地域の守り神のことを
「氏神」としています。
 

 
 
「鎮守神」(ちんじゅのかみ)とは、
その土地土地を安鎮守護せられる神のことです。
元々は寺院を建てる時にその土地に昔からいた霊(神)が、
新しく建てた寺院やそこにいる人間に
危害を加えないようにするために祀られた神様です。
 

 
 
 
時の流れとともに、その土地々々に祀られている神様は
「鎮守神」(ちんじゅのかみ)であるとともに、
自分達を育てておられる「産土神」(うぶすなのかみ)であり、
祖先にも繋がる「氏神様」(うじがみさま)でもあると
受け止められるようになりました。
 
現在では殊更、区別するような使い分けはされていません。
 

f:id:linderabella:20210311155416j:plain