「餅花」(もちばな)とは、
小正月に、ヤナギ・ヌルデ・エノキ・ミズキなどの木の枝に、
小さく切った餅や団子をさして飾った縁起の良い飾り物です。
年頭に豊作や幸福を祈願する
「小正月」の行事のひとつとされています。
その土地の風習によって
付けて飾る餅の形状は様々なものがありますが、
赤や白、黄色といった色を付けた餅を付けて
「花」としての様相を強調しています。
一般的な「餅花」という呼び名以外にも、
地域によって様々な呼び方があります。
「稲の花」や「団子飾り」、「みずき団子」、
鹿児島県の奄美大島では「生り餅」(なりもち)、
飛騨高山では「花餅」(はなもち)と呼ばれています。
また、蚕産が盛んな場所では「繭玉」、
粟や稗の生産が盛んな場所では「粟穂稗穂」(あわぼひえぼ)と
呼ばれています。
そして呼び名に合わせて、少しずつ飾りつけの形も違っています。
正月が終わった後、「餅花」を焼いて食べると
1年間無病息災でいられると言われています。
地域によっては「どんど焼き」の際に、
一緒に焼いて枝からもぎとって食べたり、
雛祭りに餅を枝から取り「雛あられ」にして食べたりする
地域もあるそうです。
「餅花」という習慣が
いつから始まったのかは分かりませんが、
江戸時代頃には盛んに飾られるようになったそうです。
養蚕農家が繭玉を木の枝に付け正月飾りにしたとか、
鏡餅を八百万に神に供える代わりに小さな餅を枝にたくさん付けたなど
様々な説があります。
雪が積もる寒い冬、生花の代わりの彩りとして
色鮮やかな餅花は重宝されていたようです。
この「餅花」は「切り餅」で簡単に作ることが出来ます。
- 切り餅を縦4等分に切る。
- 1.の切り餅1~2切れを耐熱容器に入れ、
電子レンジで1分程度加熱。 - 打ち粉(片栗粉)をかける。
色を付ける場合は食紅を少量混ぜ込む。 - 3.の餅を柳などの枝に巻きつける。
P! ひと巻きしたら餅をちぎり、
指で少し押さえる。
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