日本では高級食材としてお馴染みの「伊勢海老」。
正月料理など祝いの席によく出る、赤く硬い殻と長い触覚が立派なエビです。
名前の由来は諸説あるようです。
- 伊勢地方の海で多く獲れたことから
「伊勢」の名前がついた説 - カブトが甲冑に似ていて
「いせい(威勢)がいい海老」が縮まって
「いせ海老」と呼ばれるようになった説 - 産卵期は磯にいることが多いため、
「いそえび」が訛って「いせえび」となった説
海老が祝宴で供されるのは、
その姿が「長い髭があり、身体が曲がっている」老人を思わせ、
長寿の象徴と考えられてきたからです。
(実際に20年以上生きる個体もいるとされています)
「海老」の字を当てたのも、こうした由来によるものです。
また、海老は脱皮をすることから、再生を意味し、
また赤はおめでたい色であると同時に、魔除けの色であることも
縁起物に相応しいとされました。
殊に「伊勢海老」は、
古くから伊勢神宮の神嘗祭でその姿蒸しが神饌としてお供えされてきました。
また、大きな固い殻や触覚が鎧を連想させ、
「伊勢」が「威勢」に通じ「威勢がいい」と、武家の縁起物になりました。
今日でも注連飾りや鏡餅の飾り物、祝い膳に用いられています。