絵馬(えま)

 
「絵馬」とは、
ご祈願やお礼参りの際に神社に奉納する
絵を描いた板のことです。
おみくじを結ぶのとは違って、
「奉納する」ものであるところがポイントです。
 
 

絵馬の起源

「絵馬」の起源は古く、
奈良時代あるいはそれ以前から奉納されていたと言います。
その原型は、紙に奉納した「神馬」(しんめ)です。
 
その昔、神様は馬に乗って人間の世界へ降りてくると考えられていました。
そして、神に祈願する時は生きた馬を神社に奉納していました。
 
やがてその神事が全国に広がって、
生きた馬の代わりに
木馬や馬の絵を描いた木板を奉納するようになりました。
 
室町時代以降は、
馬の絵でないものも「絵馬」と呼ぶようになりました。 
江戸時代になるとそれが一般化して、
現在のように木で出来た小さな絵馬を奉納するようになったそうです。
 
昭和になると、絵馬本来の「馬」とは全く関係のない
干支やその地域の風景、
祈願に応じて様々なものが描かれるようになりました。
 
因みに五角形をしているのは、大きな絵に屋根を付けていた頃の名残です。
 
 
絵馬
「絵馬」には、
願い事を書かなくてもよいという考え方と、
きちんと書くべきだという考え方があります。
 
元々、絵馬の奉納は人知れず行うものなので、
神様は祈願する者のことはお見通しだとされたため、
「子年男」「丑年女」などと書く程度で、
名前や願い事も書きませんでした。
その後、祈願する者の心意を正すために、
願い事や住所氏名を書く絵馬が増えていったのです。
 
受験合格や縁結び、病気平癒、子宝祈願など、
真摯な気持ちでお願い事を書いて奉納しておけば、
神様は願い事を聞いて下さるかもしれない、
誠に便利な神頼みの道具です。
 
 

絵馬の正しい書き方

「記載欄がある場合」にはそれに従いますが、
「記載欄がない場合」には、
迷っていないでその社寺で聞いてみるとよいでしょう。
 

どこに書く?

願い事は絵の描いてある表面ではなく、裏面に記入します。
折角の願い事が消えてしまうといけないので、
油性ペンなどでしっかり書きましょう。
たいがいの神社には、
絵馬を書くための筆記用具と場所が用意されています。
 

縦書き?横書き?

縦書きで書かれていることが比較的多いようですが、
横書きでも問題ありません。
明確な決まりはないようですので、書きやすい方でいいでしょう。
 

お願いごとはどのように書く?

絵馬に願い事を書く場合には、
心意を具体的に表したほうがよいとされています。
例えば合格祈願の場合なら、
「大学合格」ではなく「〇〇大学〇〇学部合格」と
具体的に自分の決意を記します。
 

名前や住所は書いたほうがいいのか?

一般的には願い事の他に名前や住所を記入しますが、
ただ最近は個人情報保護という観点から
(安全面もあるかもしれませんね)、
住所は詳しく書かなくてもかまいません構いません
(都道府県程度が多いようです)。
名前もイニシャルなどにしても大丈夫です。
最近はステッカーを貼ることが出来る絵馬もあるそうです。
 
 

絵馬を奉納する際の注意点

神社には、絵馬を掛ける専用の場所があるので、
そこに奉納しましょう。
 
願い事(裏)側が見えるように掛けるのが
本来の作法なのだそうです。
 
誤って他の人の絵馬を落とすことのないよう、
余裕のある場所を選んでそっと掛けましょう。
 
「奉納」なので、持ち帰っては意味がありません。
ただ、一度持ち帰ってじっくり書いたりしても大丈夫です。
その場合は、神棚など目線より高い位置に保管し、
後日お参りして奉納しましょう。
めでたく願いが叶ったら、
感謝の気持ちを伝えるお礼参りをしましょう。
お礼参りは早ければ早いほど良く、遅くとも1年以内が目安です。
 

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