熊手(くまで)

 
 
年末の風物詩「酉の市」 (とりのいち)
酉の市では、境内や門前に「熊手」の市が立ち、
露天商が軒を並べます。
 
 

縁起熊手

金運や福運をかき集める縁起物です。
「熊手」には、鷲が獲物を掴んでいる様子に似ているため
「福を掴んで離さない」という意味や、
落ち葉などを集めることから
「福をかき集める」という意味があるそうです。
更に、時代とともに
様々な縁起物も飾り付けられるようになりました。
この飾りは「指物」(さしもの)と呼ばれ、
それぞれに洒落た願いが込められています。
 
 

熊手の種類

  • 赤物熊手:指物が手作りで、全体が赤めで、おかめはついていない
  • 青物熊手:指物が機械で作られ、緑の松を飾ったものが多いもの
  • みの熊手:ザルの中におかめのお面などを入れたもの
  • 桧  扇:扇の真ん中におかめがあるもの
  • 豆 熊 手 :いろいろなタイプの小さなものもある
  • 宝船七福神熊手 :宝船に七福神を乗せた熊手
  • かっこめ熊手守り:小さな竹の熊手。稲穂を付けたお守り。福をかっ込む。
 
 

指物(さしもの)

飾りは「指物」(さしもの)と呼ばれ、
それぞれに洒落た願いが込められています。
 

   

  • おかめのお面
    おかめは「お多福 」とも呼ばれ、
    その名の通り、福を多く招く女性のこと。
    熊手のメインとして取り付けられることが多い。
  • 鯛 :めでたい ⇨ 大漁豊作、商売繁盛
  • 亀 :長寿
  • 米俵:五穀豊穣
  • 小槌
  • 小判、千両箱、巾着:財運を招く
  • 蕪 :根が増える、株分け
  • 枡 :ますます繁盛
 
 

熊手の買い方のコツ

  1. 毎年同じ店で買う
    お馴染みになった店では、
    名前を江戸文字で書いた札に差し替えてもらえます。

  2. 小さなものから買う
    毎年大きいものに買い替えていくのが良いとされているためです。

  3. 安く買うほど縁起が良いとされるので、
    値切り交渉をする

    値切った分は釣りとして受け取るのでなく
    ご祝儀として売り子に渡します。

  4. 手締めをしてもらう
    更なる福を呼び込むことが出来ます。

  5. 正面を前方に向けて高々と掲げるようにして持ち帰る
    福を落としたり、悪運をかき集めてしまわないように、
    買った後は寄り道せずに家や会社に戻りましょう。
 
 

正しい熊手の飾り方

熊手は、正面を向けて高く掲げて飾ることで、
よりたくさんの福や幸運をかき集めてくれると言われています。
飾る位置によって、熊手のサイズなどの選び方を考えましょう。
  • 北へは向けない
  • 高めの位置に飾る
  • 熊手の正面が北以外の方角を向いている
  • 玄関に飾る場合、熊手の正面が入り口に向いている