ビリケンさん

 
ビリケンさんの元祖は、
今から百年程前に、米国の女性芸術家、
フローレンス・プリッツという女性が、
夢に出てきた不思議な人物をモデルに作ったものです。
 
当時の米大統領のウィリアム・ハワード・タフトの
ウィリアムの愛称「ビリー」に、
小さいを表す接尾語「-ken」を加えたのが
名前の由来とされています(異論も多数)。
 

 
足を前に突き出して座っているので、
足の裏をこちょこちょとかいてあげるとご利益があるとされます。
これが幸福の神様として流行し、
明治42年から翌年にかけて日本にも輸入されました。
「家内和合」「商売繁盛」の神として
日本中の花街を中心に流行したそうです。
 
明治末期、大阪の繊維専門商社「田村駒」の商標となりましたが、
その珍妙な姿が受けて、
近畿地方を中心に「商売繁盛」「家内円満」の縁起物として
人気を呼びました。
現在も、大阪本社、東京支社それぞれにビリケン像が安置され、
商売繁盛を見守っています。
 

 
「ビリケンさん」というと、
大坂通天閣の展望台に在るのが有名ですが、 今の像は三代目。
初代ビリケンさんが大阪に登場したのは明治45(1912)年。
新世界に通天閣とともに開業した
遊園地「ルナパーク」のホワイトタワー内に設けられた
「ビリケン堂」で展示されました。
 

 
ところで、昭和54年から通天閣の展望台に鎮座していた
二代目ビリケンさんは
30年以上も人々に足の裏をかかれ続けたため、
4cm程もすり減ってしまったそうです。
 

 

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