招き猫

「招き猫」は古来より、
開運招福や千客万来、商売繁盛をもたらす縁起の良い置物として、
多くの日本人に愛用されてきました。
招き猫の種類は様々で、それぞれにご利益も異なります。
 

 

歴史

初めてそれらしき人形が作られたのは、
江戸の「今戸焼」(いまどやき)によるものらしいのです。
「今戸焼」とは
江戸時代から明治時代を中心に、
東京の今戸や橋場とその周辺(浅草の東北)で焼かれていた
素焼及び楽焼の陶磁器です。
瓦・日常生活道具・土人形・工芸品などが生産されました。
今戸人形は、狐・狸・あねさま・招き猫・おかめ・福助など、
多くの種類があり、長く江戸東京の庶民に親しまれてきた
郷土玩具です。
 
嘉永5(1852)年、浅草に住む老婆の夢枕に愛猫が立ち、
自分の姿を人形にするなら、必ず福徳を授かるだろう、
と告げました。
老婆は、身体が横向きで片手を上げた猫の人形を今戸焼で作らせ、
 浅草寺の参道で売り出し、
これを手本に、各地で招き猫が作られるようになっていきました。
 

 
なぜ手招きをする猫を
めでたいものと考えるようになったかについては、
諸説あります。
 
最も古いのは、文明9(1477)年、江古田ヶ原の合戦のさなか、
道に迷った太田道灌を黒猫が導いて救ったというものです。
 
そして最も有名なのは、彦根藩主・井伊直孝が
猫に手招きされて豪徳寺に辿り着き、
それをきっかけに菩提所を移したため、寺が復興したという伝説です。
また、京都の称念寺(しょうねんじ)にも同様の伝説があり、
白黒金の三色の招き猫を授与しています。
この寺では、黒は魔除けになり、金は金運を招くと言われています。
 
かつて養蚕が盛んだった時代、
養蚕農家を困らせる「天敵」の「ねずみ」を食べてくれる猫は
養蚕農家にとっては、まるで神様のような存在だったため、
猫の像や碑が神社に奉納されるました。
そして時が経ち、養蚕業が下火になってからも、
猫は福を呼ぶ「招き猫」として
人々に大切にされていったという説もあります。
 

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招き猫の種類

  • 右手上げ=金を招く
  • 左手上げ=人を招く
  • 手  長=遠くの大きな福を招く
  • 手  短=身近なささやかな福を招く
 

招く手の高さ

  • 耳より高い:遠くの福やお客さんなど、大きな福を招く
  • 耳より低い:近くの福やささやかな福を招く
 

招き猫の色とご利益

  • 白:開運招福
  • 赤:無病息災、回復祈願
  • 黒:厄除け、家内安全
  • 金:満願成就、財運興隆、商売繁盛
  • 銀:満願成就
  • 黄:金運万来
  • 桃:恋愛成就
  • 緑:必勝合格
  • 青:健康長寿
 

三毛猫は幸運を呼ぶ

日本原産の「三毛猫」は、とても健康で丈夫な猫が多く、
性格は猫らしい自立独立型のしっかりした性格の猫が多いと言います。
ネズミを捕るのが上手で、なおかつ手が掛からないため
昔から人気があり、愛され続けてきました。
また、他の猫に比べて平均寿命が長い、という報告もあります。
 
「三毛猫」はほとんどメスしかいないので、
発情期にマーキングやオスのような喧嘩もしません。
猫種の中でも飼いやすい猫です。
 

 
また日本の船乗りの間では、
「三毛猫」を船に乗せると遭難しないという言い伝えがあります。
船内の「三毛猫」が騒ぐとしけになり、
のんびり寝ていると天気も安心と考えられていました。
 
更に、三毛猫の3色のカラーにもそれぞれ意味があります。
三毛猫のベースカラーである
「白」は、「来福招福」純白は清潔・純粋を意味し、
幸せを包み込んで育てるというイメージが定着しています。
「黒」は、魔除け、厄除け。
「赤」は、日本では昔から麻疹や疱瘡の神が嫌う色であると信じられ、
「無病息災」の色として考えられています。
 

常滑焼の招き猫

「招き猫」の全国規模の福の神として広まっていったのは、
戦後、それ愛知県の常滑で
無釉の常滑焼で工場生産されるようになってからです。
 
現在も、常滑市は日本一の招き猫生産地です。
常滑市キャラクターも招き猫の「トコタン」。
市内には、「招き猫通り」もあります。
 
 

「招き猫の日」(9月29日)

いつも手を挙げて、私達人間に福を招いてくれる「招き猫」に
一年に一度くらいは感謝する日があってもいいのではと、
9月29日を
「くる(9)ふ(2)く(9)」の語呂に因んで、
日本で唯一の招き猫愛好団体である「日本招猫倶楽部」が、
平成7(1995)年に制定しました。
 
 

神使(眷属)

明治時代から昭和初期にかけて全国で養蚕業が盛んになると、
養蚕農家は鼠に解雇を食べられる被害に大いに悩まされました。
そのため、当時の神社では、
鼠除けの御祈祷がごく普通に行われていたようです。
天敵の猫を飼ったりして鼠対策に励む一方、
養蚕の神様に養蚕守護を祈り、その眷属である猫の力添えを願って、
神社に猫の石像を奉納したり、
神棚に猫の絵入りのお神札や絵馬などをお供えしたりしていたそうです。
 

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