鬼は柊の葉が苦手

今週のお題「鬼」

 

 
「柊」(ひいらぎ)は、
葉の縁が鋸の歯のようにギザギザしているのが特徴の
常緑高木です。
原産地は日本やChina。
古くから邪鬼の侵入を防ぐと信じられ、
庭木として人気があります。
 
 

名前の由来

「ひいらぎ」の日本名の漢字は「疼木」と書くこともあります。
「疼」は「ひいらぐ(ヒリヒリ痛む)」という意味の古語で、
葉のギザギザした棘に触れると疼痛を起こすことに由来します。
他にも、「ひらぎ」「鬼の目突き」「杠谷樹」などといった
別名もあります。
 
 

柊(ひいらぎ)

(ひいらぎ)は常緑広葉中高木(4~10m)の常緑樹です。
花期は11月~12月の寒い時期です。
濃いグリーンの葉の脇から
5mm程の白く、キンモクセイに似た香りの小花を咲かせます。
果実は花が咲いた翌年の5~6月頃に
濃い紫色の1~2㎝程の果実を実らせます。
葉の周りは鋸歯があり鋭い棘があります。
ただ老木になると葉の鋭い棘が無くなり縁は丸くなります。
 
江戸時代中期、
自生する柊を園芸用に改良するのが盛んになりました。
江戸時代後期には更に品種改良が進み、
『草木奇品家雅見(そうもくきひんかがみ)』(1827年)には、
黄斑の入った「黄金ヒイラギ」や、
芽出しの時に紅紫色になる「染井五三郎つづれ」など
7種が紹介されています。
 
 
 

魔除け

「柊」(ひいらぎ)と日本人の生活の関わりは、
魔除けの効果が信じられるようになった頃からです。
 
『続日本紀(しょくにほんぎ)』(797年)には、
献上された大きな柊(ひいらぎ)を、
文武天皇が伊勢大神宮に奉じた記録があります。
 
紀貫之の『土佐日記』(935年頃)に記された元旦の項には、
次のように京の風習を懐かしむ箇所があります。
今日都のみぞ思ひやらるる、
小家の門の端出之縄、なよしの頭の、ひひらぎ等
いかにとぞ言ひあへなる
 今日は都のことばかり思いやられる。
 庶民の家の門に飾ってある注連縄の鯔(ぼら)のお頭(かしら)
 柊(ひいらぎ)はどんな具合だろうかと皆で言い合っているようだ。
 
「なよし」とは鯔(ぼら)のことで、
節分の時に門口に鰯の頭と柊を飾る伝統風習の原型です。
この風習は、邪鬼が柊の棘を恐れて、
鰯の頭の腐敗臭に驚いて逃げることを願ったもので、
それが今日まで受け継がれているのです。
 
 

柊鰯

 
節分に「柊鰯」を飾るという習慣は、平安時代から続いています。
当時、節分は季節の変わり目で、鬼が現れやすい日とされていました。
鬼は、鰯の臭いと柊の棘を苦手としていることから、
柊鰯を飾って追い払おうとしたのです。
 
焼いた鰯の頭を柊の小枝に刺した「柊鰯」は、
地方によって、「節分いわし」とか「焼鰯」(やいがし)などと
呼ばれています。
 
 

縁起木

棘のある樹木には魔除けの効果があるとされ、
古くから庭木として利用されてきました。
 
昔は鬼が住むと言われる「鬼門」(北東)に「柊」、
「裏鬼門」(南西)に「南天の木」を植え、
邪気(鬼)を寄せ付けないようにする風習がありました。
 
 
庭に柊(ひいらぎ)を植えることについては以下の説があります。
 1.鬼門除けのため、
   北東に柊(ひいらぎ)、南西に南天(なんてん)を植えると良い。
 2.柊(ひいらぎ)を植える方角は北西あるいは北が吉。
 3.「開き」に通じるので縁起が良い。
 
南天は「難を転じる」、柊は「福は内、幸福」の意味があり、
そのことから庭の北東「表鬼門」には南天を、
南西「裏鬼門」には柊を植えたりします。
また柊は、クロガネモチやセンリョウ、マンリョウなどと同じく、
美しい赤い実をつけることから「金のなる木」として繁栄を意味します。
 

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クリスマスのヒイラギと節分の柊は別物

 クリスマス時期によく目にする
 赤い実をつける「セイヨウヒイラギ」
  • 植物名:セイヨウヒイラギ
  • 別 名:イングリッシュホーリー、
        クリスマスホーリー
  • 学 名:Ilex aquifolium
  • 科 名:モチノキ科
節分に飾る「柊」
  • 植物名:柊(ひいらぎ)
  • 学 名:Osmanthus heterophyllus
  • 花 期:11月~12月
  • 実の時期:5月~6月
  • 実の色:黒紫色
 
クリスマスの頃に出回る赤い実の付く「柊」(ひいらぎ)は、
モチノキ科の「セイヨウヒイラギ」です。
昭和時代に輸入されました。
節分に飾る「柊鰯」の「柊」(ひいらぎ)は、
日本に自生するモクセイ科のヒイラギです。
「セイヨウヒイラギ」は
春に白い花を咲かせ、初冬に赤い果実を実らせます。
一方、「柊」は
初冬に白い花を咲かせて、初夏に黒紫色の果実を実らせます。
冬に白い花が咲いていたら「柊」(ひいらぎ)
赤い実が付いていたら「セイヨウヒイラギ」です。