初金毘羅(初十日祭)

毎月10日は「金毘羅神社」の縁日ですが、
一年最初の「金毘羅」の日にお参りをすると
特別な功徳やご利益が授かると言われています。
 
 

初金毘羅とは

 
毎月10日は「金毘羅さま」の縁日です。
参詣すると特別な功徳、御利益(ごりやく)
あると言われています。
特に一年の最初の「初金刀比羅」に
金刀比羅大神様を念ずれば、
特別な霊妙なる功徳があるとされています。
別名「初十日祭」とも呼ばれています。
 
「初金毘羅」の起源は、
第115代・桜町天皇の御代(1735~47)に
始まったと伝えられ、
「八少女舞(やおとめまい)の奉納」の他、
本宮前広場では「開運ぜんざい」
「開運長寿もち」「開運甘酒」の接待が
あります。
また、1月1日から1月10日までしか授与されない
「福銭開運のお守り」もあり、
毎年多くの参拝客が金刀比羅宮に参拝します。
 
 

金毘羅様

 
金比羅こんぴら様」の原型は
インドの神である「クンピーラ」であると
言われています。
「クンピーラ」はガンジス川に棲む
「蛟竜」(こうりゅう)または「鰐」(わに)
神格されたものであり、
日本神話においても
ワニは海神や龍神と結びつきが深く、
海難や雨乞いの神として信仰されています。
 
 

仏教においては、釈迦を助ける
「十二神将」(じゅうにしんしょう)の一柱で、
筆頭の「宮比羅大将」(くびらたいしょう)のことです。
 
「十二神将」は薬師如来を護る護衛隊の将で、
薬師如来の十二の願いに
それぞれ一部隊づつ割り当てられています。
また、十二支に割り当てられ、
十二支の干支や月、方角、一日を
それぞれ2時間づつ担当し、無事を守る役割も
あります。
リーダー格の「宮毘羅大将」(くびら)は、
金比羅様(こんぴらさま)の名で親しまれています。
  • 宮毘羅(くびら)  :子
  • 伐折羅(ばさら)  :丑
  • 迷企羅(めきら)  :寅
  • 安底羅(あんてら) :卯
  • マニ羅(まにら)  :辰
  • 珊底羅(さんてら) :巳
  • 因達羅(いんだら) :午
  • 波夷羅(はいら)  :未
  • 摩虎羅(まこら)  :申
  • 真達羅(しんだら) :酉
  • 招杜羅(しょうとら):戌
  • 毘羯羅(びから)  :亥
 
 

こんぴらさん

 
金毘羅(こんぴら)は、日本に入ってくると、
元々、ワニの神様であることから、
海神や龍神とされ、海上交通、
漁師と交通安全の守護神とされました。
 
 
江戸時代には、「伊勢参り」と並び
「金毘羅参り」には日本全国各地から
多くの参拝者が集まっていました。
 
 
香川県仲多度郡琴平町の
金刀比羅宮(ことひらぐう)は、
「こんぴらさん」と呼ばれて親しまれている
全国の金刀比羅神社・琴平神社・金比羅神社の総本宮です。
 
琴平山(象頭山/ぞうずさん)の中腹に位置し、
参道の長い石段は、本宮まで785段、
奥社までは計1368段を数えます。
讃岐の象頭山は、古くから神山として崇敬され、
金毘羅参りの参詣者を乗せた
「金毘羅船」だけでなく、瀬戸内海を航行する
舟人達の目印になっていました。
 

 
創建は不明ですが、
「大物主神」(おおものぬしのかみ)を祀って
「琴平神社」(ことひらじんじゃ)と称した後、
「金毘羅大権現」(こんぴらだいごんげん)となり、
永万元(1165)年には「崇徳上皇」を合祀。
明治の神仏分離で再び神社にかえり、
「金刀比羅宮」(ことひらぐう)と改称しました。
 
 

 
「大物主神」(おおものぬしのかみ)は、
大和の三諸山(三輪山)にお祀りされた神様で、
後に和光同塵の御神意をもって
讃岐国の金刀比羅宮(本宮)に顕現されました。
 
「大物主神」とは、
「大いなるモノ(神霊)」すなわち
「神々の中でも最も偉大なる力を持つ神」
という意味の神名です。
 
古来から「海の神様」として、
漁業、航海など、海上の安全を守ってくれる
神としての信仰があります。
他にも、農業殖産の神、医薬の神、
技芸(音楽や芸術関係)の神としても
有名です。
国や人々に平安をもたらし、
また、一説に運を掌る神とも伝承されています。
 
「崇徳天皇」は、
保元の乱の厄により讃岐国へ遷られ、
象頭山中腹に鎮座する金刀比羅宮を
日夜崇敬なさっていました。
長寛2(1164)年に崩御される前年には参籠し、
荒行をなされたと伝えられています。
46歳で崩御された翌年の永万元(1165)年、
その不遇な生涯と崇敬の篤さを偲び、
「金刀比羅宮」(本宮)の相殿に
お祀りされることとなりました。
 
 
江戸時代には、船乗りの海上安全の信仰から、
津々浦々の湊や海を見渡す山や丘の頂に
「金毘羅宮」「金毘羅権現社」が
勧請(かんじょう)されました。

 
東京・虎ノ門の「虎ノ門金刀比羅宮」では、
「初こんぴら祭」(1月1日12:00〜)で
七福神行列、里神楽奉納などがあります。
また、元日から「初こんぴら祭」まで
「福銭開運のお守り」が授与されます。
 
万冶3(1660)年、丸亀藩主・京極高和が
故国の讃岐から
「金毘羅大権現(金刀比羅大神)」を
江戸・三田の丸亀藩江戸上屋敷に勧請したものを
江戸庶民の要請に応えて、
毎月10日に限り邸内を開放して、
参詣を許可しました。
 
延宝7(1679)年、この金毘羅さんは、
京極高豊の代に丸亀藩江戸上屋敷の
虎ノ門移転とともに虎ノ門に遷座
(現在の「虎ノ門金刀比羅宮」)しました。
 

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京都市東山区の「安井金刀比羅宮」は、
1月1日の10:00から「初金比羅祭」が
斎行されます。
なお、前年12月10日の「終い金比羅」から
「初金比羅祭」の間には、縁起物の
稲宝来(いねほうらい)が授与されます。
 

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