「解体清祓」(かいたいきよばらい)とは、
長い間棲んできた建物を建て替える(増改築を含む)に当たり、
建物に鎮まって守り神となっていた多くの神々に感謝し、
解体工事の無事を祈るお祭りです。
神社の神主さんに依頼をし、家の敷地内で行います。
所要時間はおよそ1時間程度です。
用意する神饌の内容
- 米 :白米5合程度。
無洗米でも問題ありませんが、必ず新米をお供えします。 - 酒 :日本酒4合 ~ 1升。
- 塩 :粗塩を20g ~ 50g程度。
「食塩」は出来るだけ避けましょう。 - 水 :水道水で構いません。
ミネラルウォーターや天然水でも問題ありません。 - その他:自家栽培の野菜などがあればお供えになると良いでしょう
お祭りを行う場所
通常は、新たに神棚を設けて神様をお祀りして行うのですが、
神棚をまだ設けていない場合は、
床の間のある部屋あるいは居間などで行います。
会社の場合は、神棚を設ける部屋が望ましいのですが、
参列者が多い場合は、会議室などを臨時の祭場としてお祭りを行います。
新宅祭の進行
- 開式の辞
- 修祓 (しゅばつ)
- 降神 (こうしん)
- 献饌 (けんせん)
- 祝詞奏上(のりとそうじょう)
- 清祓 (きよめばらい)
- 玉串奉奠(たまぐしほうてん)
- 撤饌 (てっせん)
- 昇神 (しょうしん)
- 閉式の辞
- 神酒拝戴(しんしゅはいたい)
所要時間は20~30分程度。
一般住宅の場合はごく身内でするのが慣例のようです。
服装は平服が一般的です。
家以外のものを解体する時のお祓い
家以外にも解体するものがあれば、お祓いをする場合があります。
「井戸祓」
もしも井戸の撤去が必要な場合は、
そのお祓いも「解体清祓」と同時に行います。
工事中に井戸が発見された場合は、
その時にお祓いをするケースもあります。
昔から、井戸には水の恵みを与えてくれる神様が宿っているとされ、
報告もなく勝手に埋めるのは罰当たりな行為だとされています。
そのため、埋める前にお祓いを受けることが風習となっています。
「樹木祓」
昔から長く生きた樹木には精霊が宿るとされており、
むやみに切り落とすことは罰当たりだと言われてきました。
そのため、木を伐採する時にもお祓いをします。
仏壇、神棚を処分する際の「魂抜き」
魂が宿るとされている「仏壇」(位牌)や「神棚」を
取り壊したり、移動したりする際には、
「神仏の魂抜き」を行い、
物に戻してから扱う必要があると言われています。
「仏壇」の場合はお寺に、「神棚」は神社の神主さんに依頼します。
魂入れ(たましいいれ)
引っ越して神棚や仏壇を別の場所に移動させた時や、
新しく購入した際には、
「物」から「参拝対象」にするため、
「魂入れ」という儀式を行います。