神宮大麻(じんぐうたいま)

 
伊勢神宮の御神札を「神宮大麻」といって、
お正月を迎える前に、
日本全国の神社を通して頒布されています。
 

www.isejingu.or.jp

 
 

伊勢神宮

伊勢神宮は、皇室の大御祖神(おおみおやがみ)である
皇祖・天照大神をお祀りする神社です。
氏神様はそれぞれの地域をお守り下さっている神様ですが、
天照大御神は日本全国をご守護下さる総氏神様です。
ですから、皇祖神であり全国の総氏神様である
神宮の御神札をお祀りしましょう。
 
 

神宮大麻の起源

「神宮大麻」(じんぐうたいま)の起源は、
平安時代末に遡ることが出来ます。
元来、神宮は
個人的な祈願を受け付けない「私幣禁断」の神社でしたが、
 諸国を巡った「御師」(おんし)の活躍もあって、
広く一般の崇敬を集め、
江戸時代には神宮大麻の帆布も全国的に広がりました。
総戸数の9割にも達したそうです。
 
「御師」(おんし)とは、
参詣者の祈祷や宿泊の世話、参宮案内をした
神宮内の中・下級神官のことを言います。
「御祈禱師」(おんいのりし)の縮まったもの言われ、
神前に祝詞を奏上するもののことでしたが、
お伊勢参りが盛んになるにつれて、御師の数もどんどん増え、
江戸中期には、伊勢には800軒にも及ぶ御師邸があったと
言われています。
 
その御師は、毎年年末になると手代を派遣して、
各地の檀家に祈祷の大麻を始め、お土産品を配賦しました。
これに対し檀家の方では、身分や財産に応じて、
「初穂」を奉納しました。
 
明治の御代になって、御師による配布は廃止され、
「御祓大麻」は「神宮大麻」と名称が改まり、
明治天皇の聖旨により、
政府事業として全国全戸に漏れなく配布されるようになりました。
 
戦後は、全国神社を包括する「神社本庁」が神宮の委託を受け、
都道府県神社庁を経由して各神社を通し、
今日、約九百万の家庭に配布されています。 
 
 

神宮大麻(じんぐうたいま)

明治4年の神宮改正以後は、
大麻は「たいま」と音読されるようになりましたが、
本来は「おおぬさ」と読んでいました。
 
 
「おおぬさ」とは、
神道の祭祀において「お祓い(修祓)」に使う道具の一つです。
「ぬさ」は麻の古名で、「ぬさ」の美称が「おおぬさ」です。
 
祈祷が「おはらい」を行うことに始まり、
これにより「清浄」な状態がもたらされます。
これは「清浄」「正直」を尊ぶ
「伊勢神道」の祓い清めの信仰に根ざして生まれた名称です。
 
昔から「正直者の頭(こうべ)に神宿る」と言われるように、
神様は「清浄」「正直」ということを何よりも尊ばれます。
清浄(正直)であればこそ、神様が宿られるのです。
「神宮大麻」の中心である「御真」(ぎょしん)は麻串の形状をしています。
「神宮大麻」には、
古来より常に「清浄」と「正直」を旨とする「日本人の心」が表れています。
 
 

大麻(お神札)、暦に関する祭典

「神宮大麻」は、その用材から奉製に至るまで、
一貫して神宮の中で取り扱いがなされています。
用材は、神宮の山から伐り出し、奉製するのは、専門の方です。
各地の神社に届くまでの間には、
節目ごとに神宮の神職によるお祓いが行われています。
 

www.isejingu.or.jp

 
 
神宮大麻の大きさには三種類ありますが、納める神棚やおまつりするスペースに合わせてお選びください。
お神札の数え方はどう数えるのですか? お神札は一体、二体と数えます。 初穂料はどうされるの? 神宮大麻には大大麻・中大麻・大麻とあり、初穂料は異なりますが、神宮のお祭りはもとより、殿社等施設の維持管理のために充てられます。また、式年遷宮の造営にも充てられます。 式年遷宮とは、二十年に一度御正殿を始め、諸殿舎、御装束、御神宝に至るまで全てを新しく造り替え、大御神さまに新しい御殿にお遷りいただく神宮最大最高の祭儀の事です。第六十三回式年遷宮は、平成四十五年秋に執り行われます。
毎年、重ねて御神威の発揚を願うためにも、
新年には氏神様の神札とともに、
「神宮大麻」も新たに頂いてお祀りしましょう。
神社大麻を家庭にまつることにより、家の内が祓い清められ、拝むことによりその心は大御神の御許に届き、広大無辺のご神徳を得ることができるのです。

f:id:linderabella:20210325090255j:plain