天服織女(あめのはとりめ/あめのはたおりめ)

斎服殿で神御衣を織っていた時に、
須佐之男命が屋根から皮をはいだ馬を投げこんだことに驚いて
手に持っていた梭(ひ)陰部を衝いて死んでしまった機織女(はたおりめ)
この事件がきっかけで、天照大御神は天岩戸に隠れることになりました。
 
 

どんな神様

天岩戸事件のきっかけになる
天照大御神が、斎服殿(いみはたどの=神聖な機屋)にいて、
神衣(かむみそ=神に献上する御衣)を機織女達に織らせていた時に、
須佐之男命がその機屋の棟に穴をあけて、
天斑馬(ふちこま=斑入りの馬)を逆剥ぎにして落とし入れたので、
機織り女はこれを見て驚いて機(はた)から落ち、
持っていた梭(ひ)で女陰(ほと)を突いて死んでしまいます。
これを見て恐れた天照大御神は天岩屋戸に籠ってしまいました。
 
なお『日本書紀』では、女陰ではなく、
(ひ)で身体を傷つけたため亡くなったとしています。
 
天照大御神のこと?
『日本書紀』では、稚日女尊(わかひるめのみこと)と記されています。
この神名の「稚日女」は、「若く瑞々しい日の女神」という意味です。
「天照大御神」は、
別名が「大日女」「大日孁」「おおひるめ」であることから、
「わかひるめ」と読む「稚日女尊」は、
天照大神自身のこととも、幼名であるとも、
妹神とか御子神であるとも言われています。
 
「稚日女尊」(わかひるめのみこと)を主祭神としてお祀りしている
兵庫県神戸市にある「生田神社」では、
天照大御神の和魂あるいは妹神と伝えられており、
稚くみずみずしい日の女神様であり、
物を生み育て万物の成長を御加護する神様としています。
 
和歌山県和歌山市の「玉津島神社」では、
稚日女尊(わかひるめのみこと)は、
伊邪那岐命・伊邪那美命の御子神であり、
天照大御神(あまてらすおおみかみ)の妹神で、
元よりこの地に居わす神で、
後世、丹生都比売神(にうつひめのかみ)の御名でも呼ばれています。
 
神功皇后摂政前記(『日本書紀』)
『日本書紀』ではこのエピソードの次に、
『日本書紀』の「神功皇后摂政前記」で再びこの神様が登場します。
 
神功皇后が新羅征伐の後、
難波へ凱旋の折、海中が旋回して船が進まない。
務古水門(むこのみなと)に引き返し、神意を伺ったところ、
稚日女尊がが現れ「吾、活田長峡國に居らまく欲す」と。
そこで、海上五十狭茅(うみがみのいさち)生田神社に祀ると、
海は平穏になり船を進めることが出来たそうです。
 
生田神社に祀られた稚日女尊は、
平安時代には有力な「風雨」の神として朝廷から厚く祀られました。
「疫病鎮護」、「五穀豊穣」の神としても崇敬され、
庶民からは「健康長寿」、「縁結び」の神として信仰されました。
 
 

別称

  • 天衣織女(あまのみぞおりめ)『古事記』
  • 稚日女尊(わかひるめのみこと)『日本書紀』
  • 稚日姬尊(わかひるめのみこと)『先代旧事本紀』
 
 

神格

  • 織物の神
  • 祈雨の神
 
 

御利益

  • 健康長寿
  • 祈雨
  • 商売繁盛
  • 疫病除け
  • 縁結び
  • 子宝安産
 
 

祀られている神社

  • 香良洲神社(三重県津市)
  • 伊射波神社(三重県鳥羽市)
  • 生田神社 (神戸市中央区)
  • 玉津島神社(和歌山県和歌山市)
  • 今宮戎神社(大阪市浪速区)
  • 玉造稲荷神社(大阪市中央区玉造)
 

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