石折神・根折神

火之迦具土神を斬った十拳剣の先端の血から生成された神々(いはさくのかみ・ねさくのかみ)
伊邪那美命の死に嘆き悲しみ怒った伊邪那岐命
火之迦具土神ひのかぐつちのかみの首を斬り落とした際、
剣の先端に付いた血が岩石に落ちて生まれた神様。
 
 

火之迦具土神の血より生まれた神々

伊邪那美命は「神生み」の最後に
火の神・火之迦具土神ひのかぐつちのかみを生んだ時に火傷を負い、
それが原因で亡くなってしまいます。
これを嘆き怒った伊邪那岐命は、
十拳剣とつかのつるぎで火之迦具土神を斬り殺してしまいます。
この時、剣先に滴った血から生まれたのが
「石折神」(いはさくのかみ)、「根折神」(ねさくのかみ)、
「石筒之男神」(いわづつのおのかみ)です。
 
 

剣の神

『日本書紀』では、石折いはさくは「磐裂」、根折ねさくは「根裂」とも表記され、
「盤根を切り裂く」ことを意味し、「剣」に因むとする説があります。
 
 

生命力の神

また火の神・火之迦具土神ひのかぐつちのかみの血を赤い炎と見て、
鉱石を溶かすことから、
岩を裂くほどの威力、堅い木の根すらも切り裂くほどの威力という
意味となります。
すなわち、生命の源である血が盤石に飛び散り、
確固たる神格を得たとする解釈です。
 
 

経津主神(ふつぬしのかみ)

『日本書紀』には、伊奘諾尊いざなぎのみこと軻遇突智かぐつちを斬った時に、
その血が注いで天八十河あまのやそかわにある五百箇磐石いほついわむら(多くの岩)を染めたことによって
「磐裂神」と「根裂神」が生まれ、
二神の間に生まれたのが磐筒男神いわつつおのかみ磐筒女神いわつつめのかみであり、
その二神の間に生まれたのが「経津主神」(ふつぬしのかみ)です。
経津主神は「日本書紀」にしか出てこない神です。
「国譲り」では、建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)と共に
出雲の国に降り立ち大国主命と交渉したとされています。
 
 

別名

  • 磐裂神
  • 根裂神
 
 

神格

  • 剣の神
  • 生命力の神
 
 

ご利益(神徳)

  • 生命力向上
 
 

お祀りする神社