菊理媛神

(くくりひめのかみ)
菊理媛神(くくりひめのかみ)は、
伊邪那岐命と伊邪那美命の夫婦喧嘩を止めた神様です。
『日本書紀』にたった1か所にだけ登場するのですが、
白山信仰の神であり、祀る神社の数も多いという謎の多い女神です。
『古事記』には記述がありません。
 
 

どんな神様

黄泉の国で伊邪那岐命と伊邪那美命の間を取り持った女神

菊理媛神くくりひめのかみが登場するのは、『日本書紀』のこの一場面です。
 
黄泉の国で、妻から逃げる伊邪那岐命と追って来た伊邪那美命が
地上世界と黄泉の国の間にある「黄泉比良坂よもつひらさか」で言い争いをします。
そこに黄泉の国の番人である「泉守道者」(よもつちもりびと)とともに
「菊理媛神」(くくりひめのかみ)が現れ、何事かを言ったと言います。
 
何を言ったのかは分かりませんが、
その言葉に納得した2柱は、それぞれ黄泉の国とこの世に
戻ることが出来たとされています。
 
『古事記』には登場していません。
 

巫女としての能力を発揮

菊理媛神は生者と死者を仲介役を果たしたことから、、
神と人間の間に立ち、託宣を受けるする巫女を象徴化した存在と
言われています。
 

縁結び

菊理媛(くくりひめ)
「くくり」は「括る」という意味もあることから、
縁を括る「縁結び」のご利益もあります。
その他、安産、子育て、子授けのご利益など、
主に女性守護のご利益があります。
また、「ムスビ」の働きで得られる功徳全般、
五穀豊穣・大漁満足・開運招福・家内安全・交通安全・生業繁栄・
学業成就 身体健全・夫婦円満・福徳長寿・家運長久・神人和楽の
ご利益もあります。
 

縁切り

伊邪那岐命と伊邪那岐命を仲裁をしたこと、
「和合」のご利益があるとされています(夫婦和合を含む)。
また、二柱の神様がが円満に分かれることになったことから、
「縁切り」のご利益があるともされています。
 

白山比咩神社(しらやまひめのおおかみ)の祭神

石川県白山市にある「白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)
菊理媛神を御祭神とする「白山信仰」の総本宮です。
菊理媛神は、別名「白山比咩大神」とも呼ばれ、
白山の女神「白山比咩」(しらやまひめ)と同一神とされ、
出産や安産の神様として、
全国に約3000社にものぼる白山神社で主祭神としてお祀りされています。
なのに、謎多いミステリアスな姫神(ひめがみ)です。
 
「白山」は、富士山・立山と並ぶ日本三名山の一つです。
古来より人々は「白山」の雪を頂き、光を浴びて輝く姿に、
「白き神々の座」と信じ、崇めてきました。
農耕に不可欠な水を供給する「山の神」としてだけではなく、
日本海を航行する船からも航海の指標となる
「海の神」として崇められていました。
 
養老元(717)年、越前の僧「泰澄」(たいちょう)が初めて白山に登拝し、
翌年には山頂に奥宮を祀り、以来、神々しい神の山は人々の憧れとなり、
「白山信仰」は急速に全国に広まっていきました。
「白山登拝」が盛んになると、加賀・越前・美濃には、
その拠点となる馬場(ばんば)が設けられ、多くの人々で賑いました。
 
 

別名

  • 菊理媛尊  (くくりひめのみこと)
  • 白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)
  • 白山大権現 (はくさんだいごんげん)
  • 白山妙理権現(はくさんみょうりごんげん)
  • 白山妙理菩薩(はくさんみょうりぼさつ)
 
 

主なご利益

  • 縁結び
  • 夫婦和合
  • 五穀豊穣
  • 安産
  • 商談成立
 
 

祀られている神社

  • 白山比咩神社 (石川県白山市)
  • 平泉寺白山神社(福井県勝山市)
  • 長滝白山神社 (岐阜県郡上市)
  • 全国の白山神社
 

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