意富加牟豆美命

(おおかむつみのみこと)
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黄泉の国から逃走した伊邪那岐命が黄泉比良坂よもつひらさかで投げつけた
桃の実のこと。
 
 

どんな神様?

邪気を祓う呪力を秘めた桃の実

最愛の妻・伊邪那美命を失った伊邪那岐命は、
伊邪那美命に会いに黄泉の国を訪れましたが、
既に黄泉の国の食事をしてしまった伊邪那美命の変わり果てた姿を見、
逃げ出しました。
 
黄泉醜女よもつしこめ」らの追手に追いかけられながらも
やっとのごとく「黄泉比良坂」の坂下まで辿り着きました。
そこに「3個の桃」が実ってるのを見つけた伊邪那岐命は、
それらの桃をもいで、追っ手らに投げつけると、
追手は退散し、逃れることが出来ました。
 
一息ついた伊邪那岐命は、
「私を助けてくれたように、
 葦原中国の「うつしき青人草」(人民)が
 苦境に立たされたり、病を患った時、
 同じように助けてあげなさい。」と言って、
この功を讃えて「意富加牟豆美命おおかむづみのみこと」=「偉大な心霊」という名を
授けました。
 

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桃は、古代Chinaでは古来、邪気を祓う呪力を持つ仙木とされ、
日本でも同様に、霊力のある神聖な木とされていたようです。
 
日本で桃の栽培は弥生時代頃にはなされていたようで、
奈良県桜井市の「纏向遺跡まきむくいせき」の建物跡からは
2~3世紀頃の大量の栽培種と判断される桃核(種)が出土しています。
また、古墳の横穴式石室からもしばしば桃核が見つかっており、
当時の有力者がその被葬者に推定される第一級の首長墓に多く、
呪術祭祀に用いられたものではないかと指摘されています。
 
 

別名

  • 意富迦牟都美
 
 

神格

  • 退魔の神
  • 邪気払いの神
 
 

ご利益(神徳)

  • 災難除け
  • 厄除け、厄払い
  • 病気平癒
  • 延命長寿
 
 

お祀りする神社

  • 多伎藝神社 (島根県出雲市)
  • 賀茂神社  (徳島県阿波市)
  • 桃島神社  (兵庫県豊岡市)
  • 赤國神社  (京都府綾部市)
  • 桃太郎神社 (愛知県犬山市)
  • 新治神社  (富山県黒部市)
  • 行田八幡神社(埼玉県行田市)
  • 熊野神社  (東京都多摩市)