玉祖命(たまのおやのみこと)

「天岩戸」において、
須佐之男命の乱行によって石屋に籠った天照大御神を外へ出すために、
天岩戸開きの祭具製作に当たって「八尺瓊勾玉」(やさかにのまがたま)を製作。
また「天孫降臨」に際し、「五伴緒」(いつとものを)の一柱として
邇邇芸命に従って天降りしました。
『古事記』にのみ登場し、『日本書紀』にはこの名前の神は登場していません。
 
 

どんな神様

天岩戸
岩戸隠れの際に、「八尺瓊勾玉」(やさかにのまがたま)を作った神様です。
 
 
天孫降臨神話の五伴緒の一柱
「八尺瓊勾玉」(やさかにのまがたま)の勾玉は、
その後の「天孫降臨」の際に、
天照大御神から邇邇芸命に「八咫の鏡」と一緒に授けられ、
地上の統治権を象徴する「三種の神器」の1つとなりました。
 
そして、作った玉祖命も「五伴緒」(いつとものを)の一柱として
児屋命(あめのこやね)・太玉命(ふとだま)・天鈿女命(あめのうずめ)と共に、
天孫・邇邇芸命と地上に降りました。、
 
 
出雲玉つくり職人の守護神
『古事記』にのみ登場し、
『日本書紀』にはこの名前の神は登場しませんが、
同神と見られる神が登場します。
『日本書紀』では、「八尺瓊勾玉」を作ったのは、
玉造部の遠祖「豊玉神」(とよたまのかみ)
「天明玉命」(あめのあかるたまのみこと)としています。
どちらも玉造部の祖としていることから
「玉祖命」と同神と考えられています。
 
また、『古語拾遺』(こごしゅうい)には、
「櫛明玉命(くしあかるたまのみこと、玉祖命の別称)は
 出雲国の玉作りの祖神である」と記されています。
 
玉造の地名が残る島根県八束郡玉湯町は、古代出雲の玉造部の居住地でした。
曲玉の材料であるメノウ、碧玉、水晶の産地でもある花仙山の麓には
玉造遺跡もあり、各種の玉類や砥石などが数多く出土しています。
 
その近くにある玉作湯神社は
『出雲風土記』、『延喜式』などにも載っている古社です。
伝承では、須佐之男命が天照大御神に献上した「八尺瓊勾玉」は、そ
もそも櫛明玉命が須佐之男命に贈ったものとされます。
また、玉造遺跡の近くには、
櫛明玉命の墓と伝えられる「玉造築山古墳」などもあります。
 
 

別称

  • 玉屋命  (たまのやのみこと)
  • 櫛明玉命 (くしあかるたまのみこと)
  • 天明玉命 (あめのあかるたまのみこと)
  • 天櫛明玉命(あめのくしあかるたまのみこと)
  • 豊玉命  (とよたまのみこと)
  • 羽明玉  (はかるたま)
  • 羽明玉命 (はのあかるたまのみこと)
 
 

神格

  • 玉造りの神
  • 宝石の神
  • 眼鏡の神
  • 装飾・美術の神
 
 

御利益

  • 石業守護
  • 眼鏡業守護
  • カメラ・レンズ業守護
  • 技術向上
  • 商売繁盛
  • 開運招福
  • 金運向上 など
 
 

関連神

  • 父 神:天背男命
  • 御子神:大多麻流命・天湯津彦命
 
 

祀られている神社

  • 駒形根神社里宮(宮城県栗原市)
  • 安房神社   (千葉県館山市)
  • 比々多神社  (神奈川県伊勢原市)
  • 玉諸神社   (山梨県甲州市)
  • 石作玉作神社 (滋賀県長浜市)
  • 玉祖神社   (大阪府八尾市)
  • 玉作湯神社  (島根県松江市)
  • 玉祖神社   (山口県防府市)
  • 大麻神社   (香川県善通寺市)
  • 三宅神社   (宮崎県県西都市)
 

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