黄泉醜女

(よもつしこめ)
「黄泉醜女」(よもつしこめ)
黄泉の国に住むという恐ろしい姿の鬼女です。
「予母都志許売」とか「泉津醜女」とも表記されます。
 
黄泉の国で醜い死体となっていた伊邪那美命を見た
伊邪那岐命が逃げ帰ろうとした時、
「渡しに恥をかかせたわね」と憤った伊邪那美命は、
黄泉鬼女よもつしこめを呼び寄せて、後を追わせました。
 
黄泉鬼女よもつしこめは、一飛びで千里(約4千㎞)走るという健脚を持ち、
すぐに追いつかれてしまった伊邪那岐命は
蔓草の髪飾りを投げると山葡萄が生え、
次に「湯津津間櫛ゆつつまぐし」の歯を投げると筍が生え、
黄泉鬼女よもつしこめがそれにかぶりついて食べている隙に
伊邪那岐命は黄泉の国と現世の境界の「黄泉比良坂よもひらさか」まで
逃げ切ることが出来ました。
 
なお「醜女」(しこめ)とは、
古くは「強い霊力を持つ女」といった意味であったと言われていますが、
いつしか「醜い」という意味の変化から
恐ろしい姿が想像されるようになったと言われています。

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