苧殻・麻幹(おがら)

 
「苧殻」(おがら) は、「麻」の茎の皮を剥いで
乾燥させたものです。
 
 
お盆の時に御先祖様を迎える際に
「迎え火」の煙に乗って帰って来てもらうため、先祖を送り出する時には、
「送り火」の煙に乗ってあの世へ帰って
もらうための道標として使われます。
また、「精霊馬」(しょうりょううま) の足や
「精霊棚」(しょうりょうだな) のお供え物に添える
「苧殻箸」(おがらばし) としても使われます。
 
 
「麻」は、古来より、清浄な植物と考えられ、
神聖なものとされ、穢れを祓う力があると
信じられてきました。
 
 
例えば、伊勢神宮の神札は
「神宮大麻」(じんぐうたいま) と言いますが、
わざわざ「麻」という言葉を盛り込んでいます。
神職がお祓いの際に振る「祓串」(はらえぐし) には
必ず麻の繊維が付けられています。
 
 
また現在、葬儀の際の喪服の色は「黒」ですが、
昭和20年頃までは、白い麻布(上布など)を
身に纏いました。
これは「麻」は清浄な植物なので、
「穢れを清める」 あるいは 「穢れから身を守る」
力があると考えられてきたからなのでしょう。
 
 
同じように「苧殻」(おがら) で焚かれる火も
清浄な火なので、
清浄な空間を作り出すとか、
悪霊など不吉なものまで一緒に
家に招き入れてしまう事のないよう、
清浄な麻を焚き上げるようになったのだと
考えられます。
 
 
「精霊馬」に「苧殻」を足としてつけるのも、
「精霊馬」を「苧殻」で清めることで、
御先祖様の霊により快適な乗り心地を提供して
お迎えしたり、あの世へ送り届けるという
意味があるのです。