三宝・三方(さんぼう)

 
「三宝」(さんぽう)とは、
神道の神事において使われる、
「神饌」(しんせん)を載せるための台で、
「折敷」(おしき)と穴が開いた「台(胴)」で
成り立っています。
 
- 神饌(しんせん) -
「御饌」(ぎょせん)とも言って、
お祭りなどで神様に献上するお食事のこと

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「三宝」(さんぼう)という名称については、
穴が三方向に開いていることから
つけられたとする説があり、
これが通説にもなっています。
 
因みに、台(胴)に開いた穴は
「刳形」(くりがた)あるいは
「眼象」(げんしょう)と呼ばれ、
「宝珠」(ほうじゅ)の形に彫られていますが、
穴そのものには意味がなく、
一種の装飾と考えてよいでしょう。
 
かつては、四方に穴の開いた「四方」(しほう)
穴が一つも開いていない「供饗」(くぎょう)
いうものもありましたが、
今日では、通常「三宝」が用いられています。
 
「三宝」には大小様々の種類がありますが、
一般的に神棚では一台か三台使います。
神棚が大きい場合や
多くの神饌をお供えする場合には、
五台にすることもあります。
神棚が小さい場合には、「折敷」だけでも
「祭器具」をそのままお供えしても構いません。
「三宝(三方)」や「折敷」を使う場合は、
縁の継目(綴じ目)を手前に向けて置きます。
 
 
「三宝(三方)」は、季節の節句などに
合わせて使用されています。
お供え物の上げ下ろしがしやすく、
また神棚板を交換するよりも
「三宝(三方)」を交換する方が
手軽で、かつ、いつでもキレイな
「三宝(三方)」で
お供え物をお祀りすることが出来ます。
 

-例-
 ・お正月の鏡餅台として
 ・2月の節分の豆など
 ・桃の節供には菱餅や白酒を
 ・菖蒲の節句には柏餅、
  関西ではちまきなど
 ・七夕の節句には素麺
 ・十五夜のお月見の時にはお月見団子
 

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