小豆粥(あずきがゆ)・望粥(もちがゆ)・桜粥(さくらがゆ)

粥(縁起の良い食べ物)

正月十五日に行われる「小正月」には、
小豆を入れた「小豆粥」(あずきがゆ)を食べる
習慣が今も残っています。
 
 

小豆粥

「小豆粥」は、1月15日に、
1年の邪気を払う目的で食べられるお粥です。
満月の正月に食べるので「望粥」(もちがゆ)
小豆で薄紅に染まるので
「桜粥」(さくらがゆ)とも呼ばれています。
 
 
1月15日の「小正月」の他、
15日に作った「小豆粥」を残しておき
再度餅を入れて食べる1月18日の「十八粥」、
12月23日の「大師講」や、
冬至」にも「小豆粥」が食べられてきました。
こちらは「小正月」のものと紛らわしいので、
冬至粥」と呼んで区別されています。
 

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多くは餅(粥柱)を入れ、
その粥で一年の豊凶や天候を占います。
小豆を入れるのは、
小豆の赤に邪気を払う霊力があると
信じられていたためです。
 
粥杖(かゆづえ)
小正月の朝、小豆粥を炊く時に掻き回すのに
使う棒を「粥杖」(かゆづえ)と言います。
年木(としぎ)を削ったり、
炉や竈にくべた燃えさしが
この棒で女性の尻を打つと
子が授かるとされと言われることから、
「祝棒」「孕めん棒」とも呼ばれています。
 
粥柱(かゆばしら)
小正月の小豆粥に入れる餅のことを
「粥柱」(かゆばしら)と言います。
「冬至粥」は米と小豆だけで作られますが、
小正月の小豆粥には”餅”を入れます。
 
「粥占」(かゆうら)
「小豆粥」を作る時、細い竹筒や葭(よし)の茎、
「粥杖」なども一緒に入れて炊き、
筒や茎の中に入った粥や小豆の量によって、
その年の天候や五穀の豊凶を占います。
 

小豆粥の作り方

 
「小豆粥」を作ってみませんか。
小豆の「赤」はポリフェノールで、
毒素を排出する作用があるとされます。
 
[材料] (作りやすい分量)
  • 小豆(乾燥):50g
  • 米     :1/2合(90ml)
  • 切り餅   :1個
<[1人分]熱量 92kcal / 塩分 0.6g >
 
[作り方]
  1. 小豆はよく洗って鍋に入れ、
    かぶるくらいの水を加えて中火にかける。
    沸騰したら、ザルに上げる。
  2. 鍋に再び小豆を入れ、
    水4カップを加えて中火にかけ、
    沸騰したら弱火にする。
    蓋をせずに40~50分ゆで、小豆が柔らかくなったら、小豆とゆで汁に分ける。
  3. 厚手の小鍋に米と水5カップを入れ、
    弱火にかける。途中で混ぜずに、
    時々煮立つくらいの火加減に調節しながら、1時間程煮る。
    切り餅は1.5cm角に切る。
  4. 3. に小豆、ゆで汁大さじ3、餅、塩小さじ1/2強を加え、5分程煮る。
    餅が柔らかくなったら火を止めて、
    器に盛る。