正月飾り(年木・幸木・新木)

 
正月飾りには様々な種類がありますが、
その中に、「年木としぎ」「幸木さいわいぎ」「新木にゅうぎ」という
余り聞き慣れないお飾りがあります。
それぞれどの様な物なのか説明します。
 

「年木」(としぎ)

 
お正月に歳神(年神)をお迎えする為に
用意される、お正月用の薪のことです。
門松の根元に添えたり、戸口に立てたりします。
別名を「節木」(せちき)とも言います。
地域によって異なる場合がありますが、
多くの土地で12月13日に採ってきます。
 

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「年木」は神様に捧げる薪として扱われます。
魔除けや神聖なものでもあります。
「年神への供物の薪」であり、
「年神様の依り代(門松同様)」という考えが元になってます。
 
 

「幸木」(さいわいぎ)

 
九州や四国方面で多く見られる習慣です。
「年木」と同じく正月のお飾りの一種で、
「年神への供物を吊るす木」、
「お正月用の食べ物として
 屋内に吊り下げていく木」のことです。
 
6尺(約1.8m)位の棒に、
平年には12本(閏年には13本)の縄が
結び下げられ、
その縄に正月用の食料を吊り下げ、
これを土間などに取り付けます。
 
 
<正月用の食べ物>
 🐟 吊るした魚
  鰹、鰯、鯵、鯛、鰤などを12本吊す
 
 🌳吊るす木
  樫、椎、杉、松、タブノキなど
 
これらの食べ物は1月20日の「二十日正月」の
日までに食べ尽くすのが習わしです。
6月1日の稲代作りの時に食べるという地域も
あります。
 
この「幸木」は、
家長の代替わりや不幸のない限り
毎年同じものを使います。
そして不幸があった時には、
新しい物に取り替えます。
 

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新木(にゅうぎ)

小正月」から「二十日正月」の間
お供えする木で、別名「御新木」(おにぎ)
言います。
その年で初山仕事になる1月正月4日に
山から伐ってきた木を使って、
小正月に門口に立てて、二十日正月に下げる」
というお飾りです。
 
 
また神奈川県丹沢の一部の山域では、
木の表面を削って顔を書いた
「門入道」(かどにゅうどう)という木のお供えして
山の神様を祀る行事があります。
 

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