鯛(たい)

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「鯛」はその姿や薄紅色の美しさから、
魚の王様として、祝いの膳には欠かせない食材です。
「めでたい」の語呂合わせや、「大位」(たい)の当て字、
「腐っても鯛」などのことわざも、鯛の位の高さを表しています。 
 
 
鯛は縄文時代の昔から食べられており、
遺跡から鯛の骨が多数出土しています。
古代には貢物として、西日本各地から京へ干鯛が運ばれました。
江戸時代になると、
漁業・商業の神として人気のあったえびす様が
鯛と釣竿を持っていることもあり、
縁起物の地位を不動のものとしました。
 
なお、金目鯛や甘鯛は、タイ科ではありません。
鯛にあやかりたい、鯛人気の証と言えるでしょう。
 

にらみ鯛

正月三が日に、お節料理と共にお膳に上がる
尾頭付きの鯛の焼き物のことを言います。
三が日は箸をつけず、
それ以降に温めたり、鯛味噌や鯛飯などに再調理して食べます。
 

鯛の鯛

江戸時代から親しまれている「鯛の鯛」。
鯛の体の中のある骨のことです。
鯛は9種類の骨から形成されていますが、
その中でも「鯛の鯛」とは、胸びれを動かすための骨のことを言います。
肩甲骨と烏口骨という、肩の2種類の骨が繋がったものなのだそうです。
ただでさえめでたいことの象徴である鯛の中に、
更に小さな鯛がもう一匹いるということで、
二重にめでたいとされてきました。
 
正面から見ると龍に見えるおでこの骨には「大龍」(だいりゅう)
熊手のように見える頭の骨には「三つ道具」など、
鯛のそれぞれの骨には名前がついています。
鯛以外の魚でもこの骨の形は鯛に似ているため、
例えば「ホッケの鯛の鯛」「カンパチの鯛の鯛」と言った言い方をします。
鯛に限らず、様々な魚に存在している「鯛の鯛」ですが、
昔から真鯛のものが最も美しく、重宝されていたようです。
  

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