年の初めに神社やお寺にお参りする「初詣」。
お正月の「三が日」や「松の内」(7日または15日まで)、
遅くても1月中には「初詣」に行くという方が多いのではないでしょうか。
「初詣」の由来は、
平安時代からある「年籠り」(としごもり)という風習から
来ていると言われています。
大晦日から元旦にかけて、
村や家の長がその地域の氏神様のいる神社に籠り、
大晦日の夜から元日の朝まで寝ずに、
新しい年の豊作や安全を祈願するという風習です。
やがて「年籠り」の風習は、
大晦日にお参りをする「除夜詣」と
元旦にお参りをする「元日詣」の2つに分かれ、
「元日詣」が今の「初詣」の原形となりました。
地域によっては現在も、
除夜と元旦の2回社寺を参拝する風習もありますが、
これを「二年参り」と言います。
江戸時代末期までの「元日詣」は、氏神神社に参詣したり、
居住地から見て恵方に当たる社寺に
参詣(「恵方詣」)していました。
明治時代に入ると、多くの人が
(恵方にこだわらずに)
「もっと違う場所に初詣に行ってみたい」と
思うようになりました。
風習の変化は「鉄道による交通の便が改善したこと」、
そして「各鉄道会社の宣伝によるもの」が考えられています。
交通の便がよくなったことで近くの恵方の社寺だけでなく、
遠方の有名な社寺に容易に参拝できるようになりました。
考え方が変わると同時に「恵方詣」という文化は廃れていきます。
「初詣」という言葉が使われるようになったのは
大正時代頃と言われています。
「除夜詣」と「元日詣」が行われていたのが、
「元日詣」の風習だけが残り、
更に恵方に限らず「有名な社寺に自由に参拝する」というのが
一般的になりました。