桜湯(さくらゆ)

 
お茶の中に桜の花が咲いたかのように見える「桜湯」(さくらゆ)
「桜茶」(さくらちゃ)とも言います。
 
桜の花びらを塩で漬けた「桜漬け」に
湯を注ぐと、ふくよかな香りが立って
湯の中で花が開きます。
 
 
お湯の中で桜が開花していく様子が
「明るい未来が花開く」という
イメージを連想させるため、
日本では古くから「縁起物」として
結納や結婚式などの慶事には欠かせない
飲み物とされています。
 
 
また慶事では、煎茶や緑茶は
「お茶を濁す」「茶々を入れる」などを
連想させるとして、
お茶の代わりに桜湯を飲む風習が、
今も続いているのですね。
 
 
桜湯では、塩漬けにした5~8分咲きの
「八重桜」を用いるのが基本です。
「八重桜」は色合いが濃厚なことや、
幾重にも重なった花びらが開く様子が
豪華になることから、
一般的な「染井吉野」(そめいよしの)よりも
用いられることが多いです。
 
 
「桜湯」で用いる「八重桜」は
塩漬けにしているため、
お湯を飲み終わったら、
花も食べてしまって大丈夫です。
ただ桜を食べることに抵抗感がある方は
懐紙に包んで、湯飲みの中は空にしましょう。
 
 
また、結婚式など「花婿・花嫁」がいる席で
出された「桜湯」の桜を食べてしまうと、
主役の「花」まで食べてしまうことになるのでマナー違反という説もあるようですが、
「花婿・花嫁」がいない席では
桜まで食べても良いとされています。
 
 
 
 
桜湯の入れ方
一人分の「桜湯」(さくらゆ)には、
「桜の塩漬け」は1~2房使用します。
 
「桜湯」に入れる「桜の塩漬け」は、
塩気が強いことがありますので、
塩抜きをするのがおススメです。
桜の花についている塩をさっと洗い流すか振り落とせばOKです。
 
逆に塩抜きし過ぎると、味が薄くなったり、
桜の香りが飛んでしまったりするため、
気を付けましょう。
 
必要に応じて塩抜きしたら、
湯飲みに桜の塩漬けを入れ、
そこにそっと熱湯を注ぎ、
花が開いたら出来上がりです。