コスモス

 
9月14日は「コスモスの日」です。
3月14日の「ホワイトデー」から
ちょうど半年後であることから、
日本の記念日のひとつとして制定されました。
 
 

コスモス

 
秋を代表する花の一つ「コスモス」は、
9月から10月に6㎝から10㎝の白やピンクなどの花をつけるキク科の一年草です。
 
今では日本の秋を優しく彩ってくれる
「コスモス」ですが、その歴史は意外に新しく、
明治時代に渡来したと言われています。
 
 
日本で一般的に「コスモス」とされるものは、
メキシコ原産の「コスモス・ビピンナツス」(Cosmos bipinnatus)という種類で、
日が短くなると花芽をつける「短日植物」で、
夏にタネをまき、秋に花を楽しむものでした。
 
近年は、それほど日の長さに影響されずに
開花する「早生品種」が主流になり、
春に種を撒いて夏から開花を楽しむケースが
増えています。
 
 
また品種改良により、ピンクや白に加えて、
黄やオレンジ色、複色、
チョコレート色が登場するなど、
年々カラフルになっています。
 
 
間引きなど多少の手間は掛かりますが、
丈夫で育てやすく、
ガーデニング初心者にもおススメの花です。
 

「コスモス」の名前の由来

「コスモス」(cosmos)という名前
「コスモス」は、ギリシャ語で
「秩序」「飾り」「美しい」という意味を持つ
「cosmos」「kosmos」が由来です。
 
 
17世紀末頃に原産地のメキシコから
ヨーロッパに「コスモス」を伝えた
スペイン人神父が
「コスモス」が整然と咲く様子から
名付けたと言われています。
 
秋桜の名前の由来
「コスモス」の和名は「秋桜」です。
秋桜の花が主に秋に咲くことと、
花の形、あるいは群がって咲く様子が
「桜」に似ているところから来ています。
 
なぜ「cosmos」には
「宇宙」という意味があるのか?
 
英語の「cosmos」には、花のコスモス以外に
「宇宙」という意味もあります。
これは、紀元前6世紀に活躍した
ギリシャの哲学者ピタゴラスが名付け親です。
ピタゴラスは、「宇宙」を秩序あるものだと
みなしていたことから、
宇宙を「kosmos」と命名しました。
 

ラグーザ玉と秋桜

「秋桜」は、日本には明治時代に入って来ましたが、そこにはヴィンチェンツォ・ラグーザ
というイタリア人彫刻家が関係しています。
 
明治9(1876)年、政府のお雇い外国人として
来日したラグーザは、日本画を学んでいた
少女、清原玉と運命的に出会います。
ラグーザは、玉の才を見抜いて、
デッサン指導のために、当時日本にはなかった
秋桜の種子を持ち込んだのだそうです。
 
 
ラグーザと玉は、
玉が19歳の時に日本で結婚式を挙げ、
イタリアへと渡りました。
玉はイタリアの美術学校で絵を教え、
画家としても活躍しました。
 
 
夫のラグーザの死をきっかけに、
ラグーザ玉は51年振りに帰国。
晩年も日本で絵を描き続け、
昭和14(1939)年に79歳でこの世を去りました。