「だるま」は昔から、七転び八起きの
縁起物として親しまれてきました。
目無しのものに片目を書き入れ、
願いが叶った際に、両目を入れる達磨は、
選挙などでお馴染みです。
これは片目を墨で黒くすると
達磨が人に代わって苦労してくれるとする
考えによるものです。
達磨大師
「達磨」は、そもそもサンスクリットの
「法」を表す語の音訳です。
達磨大師は、インドの
菩提達磨多羅(ぼだいだるまだら)のことで、
5、6世紀の頃にChinaに渡って少林寺に入り、
9年間壁に向かって座禅を組んだ後、
遂に禅の奥義を極めたとされる禅宗の祖です。
達磨大師は、聖徳太子とも出会ったとも
伝えられますが、
その名が広く知られるようになったのは、
鎌倉時代に禅宗が日本に渡来してからの
ことです。
以来、雪舟を始め、多くの画家によって
その姿が描かれるようになりました。
達磨人形
少林寺では、洞窟の岩壁に向かって
9年間座禅をしたために、
手足が腐ってしまったという
凄い伝説の持ち主です。
その逸話から、江戸時代に手足のない
「だるま」が生まれたようです。
怖い顔をした「だるま」が、
倒しても倒しても起き上がってくることが、
子供達に人気を博しました。
達磨大師の不屈の精神に見立てて、
「七転び八起き」という言葉も生まれました。
そして「だるま」が赤いのは、
達磨大師がいつも赤い衣を纏っていたから
なんだそうなんですが、
日本においては、
赤色は古来邪気を祓う色とされていて、
特に疱瘡除けに使われたこととも
無縁ではないでしょう。
だるま人形は、町人文化が盛んになった
文化・文政年間に江戸中で爆発的に売れました。
達磨の目
達磨には目の入っているものと、
入っていないものがあります。
目入りのものは、魔物を寄せ付けないよう
見張るためと言われています。
その類では、宮城県の「松川だるま」が
よく知られています。
目無しだるま
広く普及している「目無しだるま」は、
仏教の修行のために目をくり抜いたという説や、
疱瘡平癒祈願などから生まれたという説も
あります。
疱瘡に罹ると目が潰れると言われていたので、
だるまの目の描き方が大事とされるようになり、
客の求めに応じて目を描き入れたことから、
「目無しだるま」が売られるようになった
そうです。
更に、仏教に魂を入れる「開眼」とも結びついて
「大願成就」の時に目を描き入れる習慣が
広まりました。
開眼・目の入れ方
目を入れる順番は、
「左目」を入れてから「右目」ですが、
選挙の時は、「右目」を入れてから
「左目」を入れるというのが
お決まりのパターンだそうです。
目無しのままにして、願いが叶った時に
両目を描くこともあります。

1.心を落ち着かせてから、願いを込めて
だるまの「左目」(向かって右側の目)
を描く
2.願いが叶ったら、もう片方の目も
描き込む
だるまの色
[白]財運・人間関係運上昇
⇨ 北に置くとよい
[黒]出世運上昇
⇨ 東に置くとよい
[緑]健康運上昇
⇨ 南に置くとよい
[黄]金運上昇
⇨ 西に置くとよい
(Chinaから伝わってきた時の達磨は黄色)
