一年の新しい始まり、
元旦の日に最初に昇る太陽のことを
「初日の出」と呼びます。
初日の出(はつひので)とは
一年の新しい始まり、元旦の日に最初に昇る太陽のことを指して
「初日の出」と呼びます。
日本では古来より、「初日の出」と共に年神様(歳神様)が現れるとされ、
おめでたいと考えられていました。
「初日の出」を拝むことは
年神様へその年の豊作や幸せを祈る意味があるのです。
本来、「元旦」とは「初日の出」のことで、
それが転じて「元日の朝」を「元旦」と言うようになりました。
「旦」という字は、
朝雲から(もしくは地平線から)日が昇る様を表しています。
「初日の出参り」が盛んになったのは、
明治の頃からと言われています。
元日の朝に天皇が行う「四方拝」(しほうはい)が、
やがて民間に広まり、
初日の出を拝む習慣が生まれたとも言われています。
令和5(2023)年初日の出情報
(国立天文台)
四方拝(しほうはい)
初日の出参りの起源とも言われる「四方拝」は、
平安時代に始まった天皇の儀式で、
一時は貴族や庶民にも広まったそうです。
天皇は、午前5時半(昔は寅の刻)に束帯を着て、
神嘉殿の南座(昔は清涼殿の東庭)に出御し、
皇大神宮・豊受大神宮・天神地祇・天地四方・山陵を拝し、
宝祚の無窮(ほうそむきゅう)・天下太平・万民安寧を祈ります。
その儀式の中で、様々な災厄に対して
「過度我身」(私の身を通って浄められますように)と
祈りの呪文を唱えるそうです。
ご来光
高山などで迎える「初日の出」は「ご来光」と呼ばれています。
由来は、山頂の雲に自分の影が写り、
光の輪をまとった仏様の「ご来迎」に似て見えることからとのこと。
神々しい日の出は、「ご来光」そのものに感じられたのでしょう。
初富士
元日に眺める富士山のことを「初富士」と言います。
「一富士二鷹三茄子」として、
最も縁起の良い初夢が富士山とされている通り、
正月に臨み見る山の姿は御目出度さも格別です。
同様に、富士山に次ぐ霊峰として名高い
茨城県の筑波山を眺めることを「初筑波」、
京都と滋賀の境にそびえる比叡山を望むことを「初比叡」、
長野と群馬の境の浅間山を見やることを「初浅間」などと言って、
正月の山を拝む慣習が各地にあります。
初曙、初明かり、初茜
夜明け近くの、
ほのぼのと明るみが差す頃を「曙」と言います。
とりわけ、元日の曙を「初曙」(はつあけぼの)と言って、
その時空に差してくる明け方の光を「初明かり」(はつあかり)、
夜明けの茜色に染まった空を「初茜」(はつあかね)と言います。
そして日が昇り、「初日の出」を迎えます。
初東雲(はつしののめ)
元日の明け方のこと。
「初曙」とおおよそ同じ頃を指します。
「東雲」(しののめ)は「篠の目」とも書きます。
これは「篠竹」で作った編み目のことで、
昔の家の明り取りの役目をしていました。
転じて、夜明けの薄明かりも、
「しののめ」と言うようになったそうです。
初空
元日の大空を「初空」とか「初御空」(はつみそら)と言います。
一年の始まりの空は、何とも清々しく、
御目出度い気持ちで見上げたくなるものです。
元日の晴れ 渡った空は瑞兆として、
また雨や雪であっても豊穣の瑞兆として、それぞれに喜ばれました。