ずんだ餅(ずんだもち)

 
「牛タン焼き」「笹かまぼこ」と合わせて
「三大仙台名物」の一角「ずんだ餅」は、
枝豆を茹でて取り除いてすり潰し、
砂糖、塩、水を加えて作った餡を
餅と合わせた宮城県仙台市の郷土料理です。
 
 

宮城県の餅食文化

 
お米の生産量が高い宮城県は、
米どころ、餅どころです。
餅を食べる機会が多く、冠婚葬祭や
正月やお盆などの年中行事から
農作業の合間など、事ある毎に、
餅を食べることが根づいています。
 
 
餅がよく食べられるためか、
ふすべ餅、あめ餅、ごま餅や、納豆餅、
ずんだ餅など、50種類以上もの餅料理があると
言われています。
 

ずんだ餅

「ずんだ」とは
「ずんだ」とは、枝豆(未成熟な大豆)またはそら豆をすり潰して作った緑色のペーストの
ことで、「づんだ」「じんだ」「じんだん」「ヌタ」とも呼ばれます。
北東北南部の秋田県の横手盆地や岩手県南部、
南東北の宮城県・山形県・福島県、
及び北関東の栃木県北西部において
郷土料理に用いられてきました。
 
特に、鮮やかな翡翠色の餡を
搗きたてのお餅に絡めていただく、
宮城県仙台地方で昔から愛されてきた
伝統食の「ずんだ餅」が有名です。
 
 
「ずんだ」に使用する枝豆は、
黄色く熟す前の若い大豆で、
夏の僅か3~4日しか収穫が出来ないため、
「ずんだ」は枝豆の産地の人々が
夏のほんのわずかな時期にだけ味わえる、
極上の旬の味覚であり、
夏の風物詩でもあります。
そして「ずんだ餅」は、
お盆のお供え物の定番料理です。
 
 
「ずんだ」は、小豆のあんこのように
日持ちしないためその都度作られますが、
大変に手間が掛かるので、
かつては子供達が
豆を莢から取り出す手伝いをするなど、
家族総出で作る家庭の味だったそうです。
 
「ずんだ」という名前の由来
 
「ずんだ」の名前の起源には諸説あり、
甚太(じんた)という農夫が作ったという説、
伊達政宗が陣太刀(じんたち)の柄で
枝豆を砕いたからという説、
豆を打つ音「ずんだ(豆ん打)」を表したという説もあります。
 
ずんだスイーツ
 
本来は夏の料理、お盆の料理として
家庭で作って消費していた「ずんだ」ですが、
大正時代に仙台市内の「村上屋餅店」が
「ずんだ餅(づんだ餅)」を売り出すと、
他の餅店でも販売するようになり、
全国に知られるようになりました。
現在では季節を問わず年間を通して販売され、様々な「ずんだ」の料理や新製品の開発も
進んでいます。
特に甘味のものは、
「ずんだ団子」「ずんだ大福」「ずんだ饅頭」
「ずんだどら焼き」といった和菓子だけでなく、
洋菓子や「シェイク」や「ずんだケーキ」など、
数え切れないほどバリエーションが増え、
「ずんだスイーツ」と呼ばれるジャンルも
定着しています。
 
 
ずんだシェイク
「ずんだシェイク」は、
バニラテイストのシェイクに
特製の「ずんだ」をブレンドした
「ずんだ茶寮」オリジナルのドリンクです。
『月曜から夜ふかし』において、
マツコ・デラックスさんが
「超うまい」「4杯飲んだ」などと熱弁したで、
Twitterでトレンド入りするなど
全国的に話題となりました。

zundasaryo.com

 
ずんだソフトクリーム
ずんだを練り込んだソフトクリームは
見た目にも食欲をそそります。
更に、ソフトクリームに
ずんだあんやフルーツなどを盛り合わせた
「ずんだパフェ」も人気です。
仙台には、「喜久水庵ずんだ茶屋」に
人気のお店がたくさんあります。
 
ずんだスナック
 
塩味のスナックも各社から販売されています。
東北地方の道の駅などでは「ずんだプリッツ」や「ずんだハッピーターン」などが
ご当地スナックとして販売されています。
 
 

枝豆

「枝豆」は、奈良あるいは平安時代には
食べられていたと言われています。
江戸時代には、夏になると、
「枝豆売り」が枝つきのまま湯がいたものを
売り歩いていたそうです。
 
「枝豆」は金運に効果あり⁈
現在では、ビールなどのおつまみとして
人気が高い「枝豆」ですが、
「金運に効果がある」縁起の良い野菜です。
 
その理由は枝豆の姿にあります。
枝豆は一つの莢(さや)の中に
少なくとも2~3つは枝豆が入っています。
一つの中に複数豆を作るというその姿が、
少ないお金でもたくさんのお金を生むことが
できるという発想に変化しました。
また、枝豆は一つの種から
たくさんの枝豆が成ることからも、
少ないお金から大金が手に入ることが
連想されて、金運。
 
枝豆は栄養豊富
「枝豆」は、黄色く熟す前の若い大豆のことで、
植物性たんぱく質として知られる大豆の良さと
黄色い大豆にはない、緑黄色野菜の良さを
兼ね備えた野菜です。
 
特に枝豆の凄いところは、
美容・美肌に効果があるとされる
「イソフラボン」、
疲労回復に役立つ「ビタミンB1やB2」、
活性酸素を無害化する「ビタミンA、C」
が含まれる他、カルシウム、マグネシウム、
カリウム、鉄などのミネラルも豊富です。
 
脳の活性化やコレステロール値の改善が
期待出来る「レシチン」、
脂肪の燃焼に効果的で、アルコールの分解も
助ける「メチオニン」も含まれています。
 
更に食物繊維、葉酸などなど、
驚くほど多様な栄養素が含まれているのです!
 
青呉汁(あおごじる)
「呉汁」(ごじる)とは、
すり潰した豆である「呉」が入った
味噌汁のことを指します。
その中で枝豆を使った「青呉汁」(あおごじる)
(「枝豆呉汁」「ずんだ汁」とも呼ばれます)は、
枝豆の旬である夏に作られる、
暑さを乗り切る栄養食品として、
身体に沁み入る一品です。
 
<材料・分量>(4人前)
  • 枝 豆:1カップ
    (莢から出したもの)
  • 味 噌:120g
  • 出し汁:4カップ
  • 油揚げ:1枚
<作り方>
1. 枝豆はたっぷりの熱湯に塩を入れ
 色よく茹でる。
2. 水気を切って、
 すり鉢に入れ出し汁を入れながら、
 とろりと流れる程度にのばす。
3. 油揚げは熱湯をかけて油抜きをし、
 千切りにする。
4. 味噌を残りの出し汁で溶き、
 火にかけて煮立ったところに2.3を入れ
 ひと煮立ちさせる。