手土産(てみやげ)

 
日本人はお土産をもらうのはもちろんですが、
お土産を買うことが好きな人も多いです。
 
 

みやげの語源

「お土産を買うという習慣」は、1000年以上前からあります。
「みやげ」は漢字で「土産」と書くために、
「土地の名産品」と思われがちなのですが、
元々は、「宮笥」(みやげ)という字を書きました。
「宮笥」(みやげ)とは、「神札」(おふだ)を板に貼ったものです。
「笥」(け)は容器のことで、
その「笥」に神霊、つまり神様の霊力を入れたものが
「宮笥」なんです。
 
昔、日本人は、
「村の外には邪気悪霊がいる」と考えていたため、
「伊勢参り」などのお宮参りは、
村の中でも一番勇気の有る男が選ばれて、
「村の代表」として出かけました。
出発する時は、水杯(みずさかずき)を交わしたというくらい、
決死の覚悟でした。
村人は、この男に賽銭を渡し、自分の祈願を頼みました。
これが、「餞別」の風習の始まりとなりました。
 

 
神社に辿り着いたその代表は、
その「餞別」で、村人皆の分の「宮笥」を買って帰りました。
これが、「土産」の風習の始まりなのです。
土地の物産品が寺社の門前に並ぶのは、
この風習に便乗したことに始まったのです。
 
ただ、他にも「都笥」「屯倉」「都帰」など諸説あります。
更に近年は、「見上げ」(みあげ)
すなわちよく見て選び差し上げることから転じて
「みやげ」になったとする説もあります。
 
そして、お土産がなぜ「土から産まれる」と書くのかと言うと、
「土産」は「その土地の産物」が本来の意味だそうで、
「とさん」とか「どさん」と言っていたそうです。
いわゆる「その土地の名産」ということです。
  
「土産」と「みやげ」は、別の意味で用いられていましたが、
室町時代から混用されるようになり、
室町末期以降は、「みやげ」の当て字として「土産」が用いられるように
なったそうです。
 
因みに、差し上げる際の決まり文句「つまらないものですが」は、
 「一生懸命選んだ品物ですが、あなたが大変素晴らしい人なので、
 どんなものでもつまらないものに思えてしまいます」という意味です。

 

手土産の渡し方

玄関で渡す

手土産程度のものなら、玄関で渡してもいいでしょう。
生鮮品やアイスクリームなど、
直ぐに冷蔵庫に入れた方が良いものや、
鉢植えや鮮魚など、部屋を汚す恐れのあるのは、
玄関先で渡す方が良いでしょう。
 

部屋で手土産を渡す

贈答品の場合は、部屋に通され、挨拶をしてから渡すのがマナー
 

渡す時の注意点

  • 風呂敷のまま差し出してはいけない
  • デパートの紙袋のまま差し出してはいけない
  • むき出しで持参してはいけない

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