注連縄・標縄・七五三縄(しめなわ)

 
 
「注連縄」(しめなわ)は、神社や神棚などに見られ、
神社では手水舎、楼門、御本殿、拝殿などに張り巡らされ、
神聖な区域に懸け渡し、内と外を隔てて、
ここが特別な場所であることを、人々に明示し、
不浄に触れさせないために用いられるものです。
 
また、元旦には門松とともに、玄関戸口の中央に飾ることによって、
悪霊が家の中に入らないようにと、
無病息災や家内安全を願うものとしております。
 
因みに、縄を張るから「縄張り」です。
 
 

「注連縄」の起源

「注連縄」の起源は、
日本神話の中の「天岩戸開」神話とされています。
 
『古事記』によると、天照大御神が天岩戸から引き出された際、
二度と天岩戸に入れないように、布刀玉命(ふとだまのみこと)
「注連縄」(「尻久米縄」(しりくめなわ))で戸を塞いだことが
伝承上における起源とされています。
 
また、「注連縄」の材料そのものが、
刈り取って干した稲藁、または麻であることから、
稲作文化と関わりの深い風習から来ているとも考えられています。
 
 

注連縄の語源

「しめなわ」の語源には、
『万葉集』には、「標縄」(しめなは)という言葉がありますが、
本来は、「占める」の意味から派生したとされています。
 
先程の『古事記』にある「尻久米縄」(しりくめなわ)は、
「久米」(くめ)という言葉が、「出す」という意味を持っていることから、
「藁の尻をくめ置いて垂らした縄」という意味で
「しめ縄」という言葉が生まれたともされております。
 
また、「注連」(ちゅうれん)は、Chinaで死霊が入り込まないよう、
水を注いで清め連ね張った縄を意味し、
一定の間隔で、藁を「三・五・七本」と垂らすため、
「七五三縄」とも表記されるようになったとも言われています。
 
 

注連縄とは

「注連縄・標縄・七五三縄」(しめなわ)とは、

稲藁を左綯り(左巻き)にし、
七筋・五筋・三筋と順次に捻り垂らし、
その間に和紙などで作った「紙垂」(しで)を下げたものです。
 
「注連縄」は、地方によっては独特のものもありますが、
 一般的には、
「前垂注連」(まえだれしめ)「牛蒡注連」「大根注連」などが
あります。
 
「前垂注連」は、
細い藁縄にいく筋かの藁茎と紙垂(しで)を垂らしたものです。
神社の各所に下げられたり、祭礼で各家々の軒下に下げられます。
また、地鎮祭などでも、四方の忌竹(いみだけ)の間に渡されます。
 
「大根注連」は中央が太く両端を細くしたもので、
拝殿の前などに下げられます。
因みに、出雲大社の大注連縄は有名で、
神楽殿に掛けられている大注連縄は
長さが約13m、胴回り約9m、重さは約4tあります。
 
「牛蒡注連」は、一方の端より少しずつ細くなっていくものです。
これも拝殿に下げられることが多く、
京都にある北野天満宮の拝殿がこれです。
 
なお、「注連縄」を神棚に取りつける際には、
向かって右に太い方、左に細い方が来るようにして、
これに「紙垂」(しで)を四垂(よたれ)挟み込んで下さい。
(地域によって飾る向きが異なるため、飾る前に確認が必要です。)
 
 
 

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