神楽殿(かぐらでん)

神社の境内にある、神楽を奉納する舞台の建物です。
「神殿」「正殿」(しょうでん)「宝殿」とも言います。
 
 

神楽

「神楽」とは、日本の神道の神事で神に奉納するための歌舞です。
「神楽」の語源は「神座」(かむくら・かみくら)から来ており、
「神の宿るところ」という意味です。
ここに神を降ろして、人々の穢れを祓い、
巫女による神がかりで人々と交流する神事で、ここで舞が舞われます。
これが「神楽」で、この神楽を舞う建物が「神楽殿」です。
 
神に奉納する神事芸能である「神楽」の起源は、
天岩戸の前で天宇受賣命(あめのうずめのみこと)が踊ったこととされています。
神楽には、宮中の「御神楽」と民間の「里神楽」があります。
 
「里神楽」は、地方によって内容や踊り方などは多様で独自性が強く、
その多くが、神を迎えて「五穀豊穣」や「息災延命」などを祈願する
神事芸能として伝えられています。
 
 

神楽殿

神社にある神楽を奉納するために建てられている
祭場・舞台のことです。
常設の「神楽殿」は平安時代に始まり、
鎌倉時代に広まったと伝えられています。
 
神社の規模によって有無や大きさに違いはありますが、
神楽を奉納する際は、この「神楽殿」が使われます。
 

神楽殿の構造

「神楽殿」は、
神社の入り口である「鳥居」から
神様の依代が安置されている「本殿」の中心に建てられることが多く、
「本殿」手前の祈りの場である「拝殿」を
「神楽殿」と兼ねている場合もあり、
また「拝殿」と回廊により繋がっている建築様式も多く見られます。
「拝殿」と供用されている場合は、
「本殿」より大きめに作られていることが特徴として挙げられます。
 
独立した「神楽殿」がある神社では、
その規模により大きさは様々になりますが、
どちらも柱の本数は少なく、開放的に造られることが多く、
高床式になっています。
 
神様を降臨させるための舞台なので、
人々の目線より高い位置になっています。
また造りは、屋根と柱だけの簡素な造りのところや、
彩飾が施されたところまで、神社によって様々です。
 
その在り方に明確な決まりはないので
神社によっての個性が大きく現れている建築物が
「神楽殿」と言えるでしょう。
 

f:id:linderabella:20210311155416j:plain