水引(みずひき)・熨斗(のし)

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かつて贈り物には、水引や熨斗を付けるのがしきたりでした。
その歴史は室町時代まで遡ります。
 
「水引」は、
婚礼用の祝儀樽に細い注連縄を掛ける習わしがあることから、
元々は神事用の酒や食品を贈るのに付けられたものが
一般的な贈り物にまで広まったとみられています。
 
当初は藁縄や麻が用いられましたが、
和紙をこよりにしたものになり、
江戸時代には
目的に合わせて色や結び方が工夫されるようになりました。
祝儀には紅白、
特に華やかな祝い事では、金銀・金赤に色分けします。
不祝儀には、黒白や藍白、あるいは白や銀の単色が一般的です。
 
「熨斗」は、今ではすっかり印刷物で代用されていますが、
本来は「のしあわび」と言って、
薄く伸ばした鮑が用いられました。
これは祝儀に酒肴を贈ったことに由来しています。
従って、弔辞や病気・災害見舞などの不祝儀の場合は、
熨斗はつけません。
因みに、鮑は今でも結納の贈り物の定番の一つです。
 
なお、昔は品物にその目録を添えたものでした。
それが次第に品名と数量を明記する表書きになりました。
今日では、更に簡略化されて、
「御祝」などと贈答の名目のみを記す場合が多いようです。
 
 

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