「人形供養」とは、大切な人形を手放す時に
今までの感謝の気持ちを込めて行う祈りの儀式のことです。
古くから「人形には魂が宿る」という考え方があります。
「人形供養」は、人形やぬいぐるみなどを、
まるで亡くなった人と同じように
神社やお寺で供養して、お別れをします。
人形供養を行っている主な寺社
「人形供養」が始まったのは、
人形を作っている工業会などの働きかけによるもので、
盛んになったのは戦後のことと、行事としての歴史は意外に浅いです。
京都の「宝鏡寺」は
「人形寺」という別名を持つお寺として名高いのですが、
「人形供養寺」としての歴史は昭和34(1959)年からのものです。
和歌山県の「淡嶋神社」(あわしまじんじゃ)は、
毎年3月3日に「雛流し」という神事が行われています。
「雛流し」は、願い事を書いた人形を舟に乗せて送り出す行事です。
全国からたくさんの女性が集まり、
それぞれの想いを人形に託して見送っています。
千葉県の「長福寿寺」は、
人形供養を始めて400年という歴史を持つお寺です。
長福寿寺では、僧侶が3ヶ月もの間、読経供養をしてから火葬します。
人形専用の火葬炉があり、プラスチック製でも供養出来るそうです。
人形供養の方法と流れ
人形供養をする方法はに、
「寺社」「葬儀社」「代行サービス」にお願いするに加えて、
「自分で行う」の4種類があります。
お寺・神社で供養する
寺社によって、常に受けつけている所と、
感謝祭のように期間限定の所があるので、事前に確認して下さい。
郵送も可能な寺社なら、離れていても供養を依頼出来ます。
- 申し込みをする
- 人形を預ける
- 他の人形と一緒に並べられ、読経が行われる
- お焚き上げされる
葬儀社に依頼する
「人形供養」を行っている葬儀社もあります。
例えば、「家族葬のファミーユ」では、
各ホールで不定期に「人形供養祭」を開催。
僧侶を招き、ホール内の祭壇に人形を並べ、
焼香を行っているからお別れ(供養)します。
業者などの郵送・代行サービスを利用する
人形供養をしている業者や、
一般社団法人「日本人形協会」を利用する場合は、
申し込み後に届くキットで人形を郵送します。
中には出張引き取りを行っている業者もあるようです。
自分で供養する
自分の手で供養する方法もあります。
以下はあくまでも参考です。
- 人形を綺麗に拭いて、乱れた髪を整える
- 白い布や和紙で人形を包む
- 感謝の気持ちを込めながら粗塩を振りかける
- 自治体のルールに従ってゴミ収集日に出す
結局はゴミとして捨てるので、
気持ちが落ち着かない場合もあるでしょう。
その際には寺社や教会などを訪れて、
再度お別れのお祈りをすると、少しは気が晴れるかな。