連翹(れんぎょう)

 
春の訪れを教えてくれる
黄色い花を咲かせる木には、
蝋梅ろうばい黄梅おうばい金縷梅まんさく三椏みつまた山茱萸さんしゅゆ
ミモザなどたくさんあります。
それらの中で最も色鮮やかなのは、
黄金の鈴のような花を枝一杯につける
「連翹」(れんぎょう)でしょう。
 
 
「翹」( 音:ギョウ、訓:あげる・つまだてる)とは、
高く弧を描いて立つ雉の尾羽のことです。
その言葉通り、「連翹」は、
早春の3~4月頃に葉に先立って、
花径2~3cm程の小さな黄金色の花を咲かせた
枝を跳ね上げるように広げています。
 
西洋には、 「春はレンギョウの花で始まる」という言葉もあります。
黄色い花が爆発するように咲く様子が、
光り輝く鈴のように見えるので、英語では、
「ゴールデンベル」と呼ばれています。
 
 
まるで太陽のように花を咲かせる「連翹」は、
見る人々に活気と元気を与えます。
花言葉も、「希望」「期待」
「豊かな希望」「叶えられた希望」など
ポジティブものが並びます。
 
また生命力の強く丈夫で育てやすいことから、
民家の生垣や庭木、街路樹としても
よく見られる人気の高い花木です。
 
 
 
「連翹」(れんぎょう)は、
China原産のモクセイ科の落葉低木で、
平安時代の書物にも登場したほど古くに
日本に入ってきました。
実を乾燥させたものは漢方薬として、
解熱剤や、利尿剤、排膿剤、
皮膚病の鎮痛剤として用いられてきました。
 
 
ですが「連翹」が本格的に栽培され、
一般にも馴染み深い木となるのは、
江戸時代以降という説が有力です。 
 
 
ところで和名の「連翹」の由来は、
オトギリソウ科の「巴草」(ともえそう)
漢名「連翹」を誤用したとも言われています。
「連翹」と「巴草」は、
黄色い花が咲く点は同じでも、
全く別の植物であり、
誤って伝わった言われています
 
なお「鼬草」(いたちぐさ)、「鼬黄櫨」(いたちはぜ)
という古名がありますが、その由来は不明です。