福寿草(ふくじゅそう)

 
「福寿草」(ふくじゅそう)は、
旧暦の正月(2月)頃に咲き出すことから、
「元日草」(がんじつそう)「朔日草」(ついたちそう)
「寿草」(ことぶきぐさ)と呼ばれ、
昔から縁起の良い植物として、
松や竹、梅などと一緒に
正月用の花として重宝されてきました。
 
 
早春に、枯れ葉や雪の間から
黄金色の花を咲かせることから、
一番に春を告げるという意味で
「福告ぐ草」(ふくつぐそう)という名前が
江戸時代に使われましたが、
その後、ゴロが悪いことから、
おめでたい「寿」と差し替えられ
「福寿草」(ふくじゅそう)となったそうです。
この「寿」は、開花期が長いことから
長寿の意味もあり定着したと言われています。
 
貧乏草
 
俳人の小林一茶は、「福寿草」を
「貧乏草」と名付けました。
 
 
というのは、「福寿草」と言えば、
明るい黄金色のはずなのに、
一茶が庭に植えたものは白い花が咲き、
「貧乏人の家では福寿草さえも白いのか。
 人を馬鹿にしている」ということで、
「貧乏草」と呼んだそうです。
 
「悲しい思い出」
 
日本では縁起の良い花として親しまれている
「福寿草」ですが、西洋では「悲しい思い出」という花言葉がついています。
これは「福寿草」の学名
「Adonis ramosa」から来ています。
ギリシア神話に由来しています。
愛と美の女神「アフロディーテ」が溺愛した
美少年「アドニス」は
猪の牙に脇腹を突き刺され亡くなり、
彼の流した血から、
アネモネの花が咲いたという
『ギリシャ神話』がもとになっています。
 
 
「福寿草」は、海外ではLanguage of flowers、
sorrowful remembrancと呼ばれています。