楪(ゆずりは)

 
「楪(譲葉)」(ゆずりは)は、
高さ5mから10mにもなる常緑樹で、
庭木や生垣に利用されています。
 
初夏に新しい若葉が出て伸びると、
古い葉は新しい葉の成長を見届けてから
夏から秋に後を譲るように落ちる様子が、
無事に代替わりすることに例えられ、
一家繁栄を象徴する木として
用いられてきました。
「父譲葉」(ゆずりは)とか、
「親子草」(おやこぐさ)とも呼ばれます。
花言葉も「世代交代」「若返り」です。
 
父子相続、子孫繁栄を願って、
「注連縄」(しめなわ)や「鏡餅」に
使われることから、
「正月の木」との別名があります。
 
 
『枕草子』(第47段)には、
大晦日、楪(ゆずりは)の葉の上に
亡くなった人への供物を載せる描写があります。
平安時代は大晦日に先祖の霊が返ってくると
信じられていたそうです。