家宅六神

(かたくろくしん)
家宅六神
 
家宅六神は、日本の神話に登場する六柱の神の総称です。
家に関する神として「家宅六神」と呼びます。
 
 
 石土毘古神 (いわつちびこのかみ)
家宅六神という「家を司る神の1番目」の神で、
家を建てる時の基礎材料となる「石」と「壁土」の男神とされています。
次に生まれた「石巣比売神」(いわすひめのかみ)と一対になっています
 
日本の家屋は伝統的に木造ですが、
その土台には石が用いられ、壁には土が用いられてきました。
その石と土という建築材を司る神霊という性格から、
家を守り、進入してくる災厄を防除すると考えられるようになりました。 
 
  • ご 利 益  :建物守護、家内安全、開運招福、厄除開運、
            諸願成就、家内安全、病気平癒
  • 神   格  :土石の神、家宅の守護神
  • お祀りする神社:石鎚神社(愛媛県西条市)
            石土神社(高知県南国市)
 
 石巣比売神 (いわすひめのかみ)
家宅六神という「家を司る神の2番目」の神で、
「砂」を表す女神です。
石土毘古神と石巣比売神は兄妹のようなもので、
どちらもその性格からして家屋建築に深く関係する神と思われます。
『古事記』にしか登場しません。
 
 大戸日別神 (おおとひわけのかみ)
家宅六神という「家を司る神の3番目」の神。
「人の安住の地を得ることの表象」とする説や、
家屋の「戸」を依代とした「防塞神」とする説があります。
性別は不明とされます。 
『古事記』にしか登場しません。
 
 天之吹男神 (あめのふきおのかみ)
家宅六神という「家を司る神の4番目」の神で、
住宅の屋根葺きを司る神様です。
屋根を葦や茅で作ることを「葺(ふく)」と言います。
そのため「フク」という字が入っている訳です。
『古事記』にしか登場しません。
 
 大屋毘古神 (おおやびこのかみ)
家宅六神という「家を司る神の5番目」の神。
木で作られた建物としての家屋の神と捉え、
「戸」や「出入り口」を神格化したものです。
 
 
木が生い茂る紀伊国の土着の信仰神と想定する説があります。
須佐之男命の御子神である林業の神
「五十猛命」(いそたけるのみこと)と同じ神様だとも言われています。
 
大国主神の神話に登場します。
大国主神を八十神やそがみの迫害から逃がすため、
母神・刺国若比売さしくにわかひめが木国(紀伊国)にいた大屋毘古神の元へ逃れさせます。
そして八十神やそがみに追いつかれた大国主神を木の股から脱出させて、
根堅州国の須佐之男命の元に赴くよう指示しました。
 
  • ご 利 益  :家内安全、林業、樹木の成長、厄除け、
            大漁、航海安全
  • 神   格  :家屋の神、木の神
  • お祀りする神社:紀州神社(東京都北区)
            青山熊野神社(東京都渋谷区)
            伊太祁曽神社(和歌山県和歌山市)
            八坂神社(京都市東山区)
 
 風木津別之忍男神 (かざもつわけのおしおのかみ)
家宅六神という「家を司る神の6番目」の神。
「風」とつくことから、風にまつわる神と考えられています。
 
「風木津」を「かざもつ」と読んで「風・持つ」と解し、
屋根が風に吹き飛ばされないように支え、持ち堪えるという意味で、
家屋の耐久性の表象とする説があります。
『古事記』にしか登場しません。