(とようけびめのかみ)
天孫降臨の後、伊勢神宮の外宮の度相(わたらい)に祀られ、
内宮の天照大御神の御饌 、つまり食事を司る神様です。
どんな神様?
天照大御神の食物を司る豊受大神
伊邪那岐神と伊邪那美神の御子神である
『古事記』には、
「登由気 の神、こは度相 に坐す(います)神ぞ」と記され、
伊勢神宮の外宮である豊受大神宮(とようけのだいじんぐう)に、
天照大御神の食物を司る豊受大御神 として祀られている女神です。
9世紀の初めに成立した『止由氣宮儀式帳』には
天照大御神との関係が記されています。
天照大御神が五十鈴川に祀られてから482年後に、
21代・雄略天皇の夢枕に天照大御神が現れて、
次のような夢告が下りました。
「私が高天原にいた時には、宮殿で平安に暮らすことが出来た。
しかし、今は苦しく、安らかに食事が出来ない。
丹波国比治の眞名井原に豊宇気毘売がいるから、
迎えて欲しい。」
雄略天皇天皇は驚いて、豊宇気毘売を迎えたと言われています。
こうして豊宇気毘売は、伊勢神宮の外宮に祀られるようになりました。
これ以降現在に至るまで、外宮では毎日、朝夕二度の大御饌祭 が行われ、
天照大御神に食物が供えられています。
食物の神・穀物の神・農耕の神
神名の「うけ」とは「食物」のことです。
その属性の類似から、記紀神話における大宜都比売神 や保食神 、
稲荷神(倉稲魂尊)と習合し、同一視されるようになりました。
いずれも稲作、五穀、食物全般の豊饒を司る神として知られています。
伊勢神道における豊受大神
中世になると、その神徳はより一層重視されるようになります。
「伊勢神道」では、外宮の祭神である豊受大神を、
天地開闢に先立って出現した天御中主神 、国常立神 と同一視して、
「豊受皇大神宮 」と呼びました。
別名
- 豊受大神
- 豊受比売神
- 豊受気媛神
- 登由宇気神
- 豊岡姫
- 等由気太神
- 止与宇
- 可乃売神
- 大物忌神
神格
- 食物神
- 穀物神
- 衣食住の神
- 醸造の神
ご利益(神徳)
- 農業・漁業守護
- 産業振興
- 開運招福
- 厄除け
関連神
- 母神:和久産巣日神
豊宇気毘売神をお祀りする神社
- 伊勢神宮外宮(三重県伊勢市)
- 豊受神社
- 鞆呂岐神社
- 鳥海山大物忌神社
- 鞍掛神社
- 露天神社
- 東京大神宮
- 徳山大神宮
- 瀧宮神社
- 調神社
- 各地の神明社