おみくじ

f:id:linderabella:20210226180650j:plain

 

神社に参拝した際に
「おみくじ」を引き、運勢などを占われた方も多いかと思います。
一般に縦に長い四角や八角、または円形の箱をシャカシャカと振って
「おみくじ」を引きます。
 
 「おみくじ」は「くじ」の一つ。
「くじ」とは、偶然を利用して、物事を機械的かつ公平に決める方法で、
現代でも、順番や商品の当選などを決める時に、
くじ引きによって決定することが多いですよね。
「おみくじ」とは、この「くじ」に神意を求める方法です。
漢字で表記すると「御神籤」。
神社だけでなく、寺院にもあります。
寺院の場合は、「御仏籤」と書きますが、読みは同じです。
 
 

歴史

「おみくじ」が誕生したのは、平安時代の末頃とされています。
物事の善し悪し、重要事項の決定、後継者人選、
勝敗の決定、物事の順序の決定などの際、
神の真意を知るための方法として始まりました。
様々なやり方が行われたようですが、
一般的なのは「短籍方式」(たんざくほうしき)だったようです。
これは、竹・木片・紙片などに人名・事項などを書いておき、
神様に祈ってから一つを引き出すというやり方です。
 
神社でお告げが書かれた紙を選ぶ現在のスタイルが始まったのは、
鎌倉時代になってからです。
南北朝時代の『増鏡』には、
「四条天皇崩御の報せを受けた第三代執権の北条泰時が
 鶴岡八幡宮でおみくじを引いて、後継の君を決めた」とあります。
室町時代の中頃には、第五代将軍・足利義持の急死に際して、
次期将軍決定のためのくじ引きが京都の石清水八幡宮で行われ、
足利義則が第六代将軍の座を射止めています。
一般人に普及したのは江戸時代。
以後、神社とおみくじは不可分の関係になり、今日に至ります。
 
 

おみくじに書かれていること

一般的に「おみくじ」は、
個人の運勢や吉凶を占うために用いられている訳ですが、
種類も色々とあり、神社ごとに工夫も窺うことが出来ます。
 

吉凶判断

一般的に縁起が良い順に、
大吉・中吉・小吉・吉(・半吉)・末吉(・末小吉)・
凶(・小凶・半凶・末凶)・大凶の7段階(もしくは12段階)で
現わされる場合が多いのですが、
この順番は神社によって異なることもあります。
 

和歌

吉凶判断に目が行きがちですが、
実は和歌こそが神意が込められていて、
生活の指針となる核心部分になります。
神社によっては、和歌ではなく漢詩になっていることもあります。
 

運勢についての解説

具体的な内容や、どのように受け止めればいいのかなどの
解説がなされています。
 

事象別判断

金運や恋愛、失せ物、旅行、待ち人、健康など、
項目毎に詳細な運勢や生活の指針などが記されています。
 
 

引いたおみくじの扱い方

「運勢の結果だけ見てすぐ結んでしまう」という方も、
少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
 

おみくじ掛けに結ぶ

木々のみなぎる生命力にあやかり、
願い事がしっかり結ばれますようにとの祈りを込めて、
「おみくじ」を木の枝に結ぶという方が多いは思います。
「おみくじ」のメッセージをしっかりと受け取ったのであれば、
「おみくじ」を納める「おみくじ掛け」に結んでしまっても構いません。
 

凶が出た場合

「凶」が出た場合は、
吉に転じて欲しいという願いを込めて
利き手と反対の手で結ぶと良いでしょう。
結ぶという行為は、難しいことをして目的を達成する、
修行の省略版なのだからだそうです。
 

お守りとして持ち歩く

けれどもおみくじは
 
悩み事が出来た時、
神様・仏様のアドバイスを聞いて今後の参考にしたい・・・
そう考えた昔の人々によって生み出された、
神仏からのメッセージツールです。
神様からのメッセージなのだから、
「吉」でも「凶」でも、ありがたく受け取り持ち歩いたほうがいい
という考え方もあります。
 
「おみくじ」は単に吉凶判断を目的として引くのではなく、
その内容を今後の生活指針としていくことが
何より大切なことと言えます。
引いた「おみくじ」を充分に読み返し、
自分自身の行動に照らし合わせるためにも
おみくじを持ち帰り、お守りにしてみてはいかがでしょうか?
 
但し、「おみくじ」を持ち帰った場合も、
時間が経って持ち帰ったおみくじが不要になった時には、
寺社の納札所に納める、または年末年始のお焚き上げに出すことで
最後まで礼を尽くすことが出来ます。 
 

f:id:linderabella:20210311155416j:plain