網目(あみめ)

「網目文様」は曲線を交差させ繋いだ形の文様です。
漁師の網の目の形になる事から「網目文様」と呼ばれるようになりました。
 
前後左右に連続するリズミカルな曲線が美しく、
江戸時代になってから文様に用いられるようになり、流行。
陶磁器の文様や小紋・手拭に使われました。
 
「網目」は単独で用いられる他、「網目文」を実際の漁網に見立てて、
魚・海老・蛸などを配した文様も江戸時代後期に生まれ、
漁師や魚市場の人々により「大漁文」として、浴衣などにも染められました。
 
また、網を打って一網打尽に敵を打ち負かすようにとの願いを込められて、
武将の紋にも使われました。
家紋には「三つ網目」「四つ網目」などが図案化されています。
 
浅草の観音様は網によって引き上げられたという言い伝えから、
江戸っ子には特に人気の文様だったようです。
 
また、19世紀フランスからヨーロッパ圏の「ジャポニズム」に分類される、
ルネ・ラリックやエミール・ガレといったフランスのガラス工芸家達が
日本からの影響を受けて作った「アール・ヌーボー」の作品の中に見られる
波のような曲線美にも影響を及ぼしています。

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