薬玉(くすだま)

 
旧暦5月5日は「薬日」(くすりび)と呼び、
薬草を摘む習わしがありました。
そして「端午の節句」には、種々の薬や
「麝香」(じゃこう)や「沈香」(じんこう)を玉にして
錦の袋に入れ、菖蒲や蓬の葉を飾りつけ、
五色の糸を垂らして飾って、
不浄を払い、邪気を避けるものとして、
「端午の節句」に柱などに飾りました。
 
 
麝香(じゃこう)
雄のジャコウジカの腹部にある香嚢こうのう(ジャコウ腺)から得られる分泌物を乾燥したもの。
甘く粉っぽい香りを持ち、香水の香りを長く持続させる効果があるため、香水の素材として古くから用いられてきました。
 
 
旧暦五月は梅雨の時期で、
物が傷みやすく、
病気にもなりやすい月だったため、
「薬玉」の香気が邪気を祓うと
考えられたのでしょう。
 
やがて薬玉を飾る花は造花となり、
四季の花々が用いられ、
香りもプラスされるようになりました。
 
「薬玉」は文様としても美しいので
若い女性や女児の祝い着の文様にも用いられ、
縁起良く、「久寿玉」(くすだま)の字を
当てることもあります。
 
 
そして、造花や折り紙などを球状に束ね、
飾り糸を垂らし、
垂らした糸を引くと二つに割れて、
紙吹雪や紙テープなどが降る
「くす玉」のルーツとなりました。