青海波(せいがいは)

「青海波」
水面に見える波頭を幾何学的に捉えて文様化したもので、
エジプトやペルシャを始めとして
世界各地で見られる文様です。
 
日本でも古くは埴輪の着物の内に見られますが、
意外なことに水を意味する文様として描かれ始めるのは
鎌倉時代からです。
 
平安時代に作られた
『青海波』という雅楽の舞曲のための装束から
名付けられたとされており、
『源氏物語』の紅葉賀の帖にも、
源氏が「青海波」を舞う情景が描かれています。
 
江戸時代の中期になって、
青海勘七という塗師が
特殊な刷毛で青海波を巧みに描いたことから、
この文様が広まりました。
 

1.青海波文

同心円を互い違いに重ね、
同心円の一部が扇状に重なり合った幾何文様の一種です。
古くは人物埴輪の衣装、陶器や蒔絵、舞楽の衣装、
能衣装、小袖にも用いられました。
「青海波」の文様には基本的なもの以外に、
花の形で青海波を形作った「菊青海波」など、
バリーションは豊富です。
 

2.破れ青海波

「青海波」が前面に敷き詰められているのではなく、
所々模様が切れて、「破れ文様」になっているものを言います。
 

f:id:linderabella:20210226180643j:plain