初大師(はつだいし)

 
 
「初大師」(はつだいし)とは、
その年最初の弘法大師の縁日ことです。
1月21日に開催され、
「初弘法」(はつこうぼう)とも呼ばれます。
この日は神奈川県の川崎大師
京都府の東寺(教王護国寺)は、
多くの人で賑わいます。
毎月21日は、大師、真言宗の縁日です。
真言宗の開祖・弘法大師(空海)は
承和2(835)年3月21日没であることから、
21日は月命日に当たり、縁日が催されます。
 
  
 
「大師」とは、朝廷から高僧に対して、
その死後に贈られる「諡」(おくりな)のことです。
真言宗の開祖である弘法大師・空海は、
承和2(834)年3月21日、
高野山において62歳で入定されました。
そして86年後の延喜21(921)年に、
醍醐天皇から「弘法大師」の諡号(しごう)
賜りました。
真言宗 では、最初の諡号です。
因みに、弘法大師の「弘法」とは、
「法を弘げた」という意味です。
 
  
 
弘法大師は
「虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば
 我が願いも尽きん」
と言う言葉を残しました。
 
「宇宙が尽きるまで、
 悟りを求めるものが尽きるまで、
 生きとし生ける者が全て
 輪廻転生から解脱するまで
 私の願いは尽きることが無い」
という意味です。
 
弘法大師は今でも高野山奥の院にて、
座禅瞑想を続けることによって
祈り続けているのです。
 
    
 
「大師参り」では、
弘法大師の宝号(ほうごう)
「南無大師遍照金剛」
(なむ・だいし・へんじょうこんごう)
と唱えましょう。
 
「宝号」(ほうごう)とは、
仏様の「名前」または、一番短いお経の
ことを言います。
真言宗では「南無大師遍照金剛」
(弘法大師空海のこと)と唱えます。
 
 
 
「南無大師」(なむだいし)とは、
心から弘法大師に帰依して仕え、捧げること。
「遍照金剛」(へんじょうこんごう)とは、
真言宗のご本尊にして、
大宇宙の生命そのものである
「大日如来」の別名であり、
「弘法大師」の別名でもあります。
つまり、「お大師さまにおつかえいたします」
という意味です。
 
 
 
「大日如来」と「弘法大師」は同体であり、
このご宝号を一心にお唱えすることによって、
弘法大師と大日如来、
大日如来とともにある全ての諸仏諸菩薩が
力を与えて下さるのです。