地蔵盆

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「地蔵盆」とは、8月23日、24日に行われる、
子供の無病息災を願った地蔵菩薩のお祭りのことです。
 
地蔵盆の主役は子供達。
地蔵盆は大人ではなく、子供が主体となって催され、
町のお地蔵様をきれいに洗って、
前垂れをつけたりとおめかしして、
灯籠や供物をあげたり、
付近の家なども提灯で灯りをともします。
 
仏教では、
親よりも先に亡くなってしまった子供は、
三途の川にある賽の河原で石を積まなければ
成仏が叶わないとされていました。
 
ですが、ある程度高く積みあがると、
そこへ鬼がやってきて塔を壊してしまいます。
このことを可哀想に思った地蔵菩薩は、
自分が子供達の親となって守り、成仏へと導きました。
 
それ以降、町角などに地蔵菩薩を祀り、
子供の幸せや健康を願う民間信仰が広まっていったのです。
 

 
「地蔵菩薩」(じぞうぼさつ)とは?

右手に錫杖、左手に宝珠が一般的な姿です。

大きな慈悲の心で人々を包み込んで救うと言われています。
お地蔵様は、お釈迦様が亡くなってから
弥勒菩薩が56億7000万年後に現世に出現するまでは、
この世には仏がいない状態とされているため、
その間、命あるもの全てを救済する菩薩です。
 
閻魔大王の化身であるとも言われ、
この世で一度でも地蔵菩薩に手を合わせると
身代わりとなって地獄の苦しみから救うとされ
人々から信仰を集めました。
 
お地蔵様は「六道能化」(ろくどうのうけ)とも呼ばれ、
簡素な姿で錫杖を持つ姿は、
休む暇もなく「六道」を巡ることを表しています。
 
「六道」(ろくどう、りくどう)
六趣とも言われ、仏教の教えが説く
6種類の世界(境遇、境涯)を指します。
6種類の世界全てが
執着心や欲望といった煩悩から逃れられていない状態であり、
何らかの苦しみを伴うとされています。 
  •   (てんどう)
    人間より優れた「天人」が住んでいます。
    天人は寿命が長く、苦しみを感じることがほとんどありません。
    しかし、煩悩から完全に脱却出来ているわけではなく、
    仏教と出会えないため解脱ができません。
  • 人間道(にんげんどう)
    私たち人間が生きている世界です。
    生病老死の四苦八苦があり苦しみに満ちた世界ですが、
    楽しみもあるとされています。
    六道の中では唯一自力で仏教と出会える世界とされており、
    解脱して仏となり、輪廻から解放されるという救いもあります。
  • 修羅道(しゅらどう)
    闘争的な神「阿修羅」が住んでいます。
    その名の通り、争いが絶えず苦しみや怒りに溢れる世界です。
    また、欲望を抑えることができない世界ともされています。
  • 畜生道(ちくしょうどう)
    牛や馬などの、畜生の世界です。
    弱肉強食の世界で互いに殺傷し続け合います。
    また、人を蹴落としてでも自分が助かればいいというような
    利己的な世界でもあり、自力では仏教に出会うことができないため、
    救いが少ない世界と考えられています。
  • 餓鬼道(がきどう)
    「餓鬼」とは、食べ物を口に入れようとした途端に火に変わってしまい、
    飢えと乾きに苦しんでいるお腹のふくらんだ姿の鬼です。
    他人を思いやらな意図、人間は餓鬼になってしまうと言われています。
    嫉妬、欲望の塊で満ちており、餓鬼道から抜け出すのは
    とても難しいと言われています。
  • 地獄道(じごくどう)
    様々な苦しみを受ける六道の中で最も苦しい世界です。
    また地獄道は、人の罪を償わせるための世界でもあります。

 

墓地にはよく6体の地蔵が祀られています。
これはインド・中国の起源ではありません。
実はこれは日本発祥のもので、11世紀頃に祀られはじめました。
六道のいずれかに転生しているご先祖様や故人を導いてもらうために、
それぞれ1体ずつが各世界を担当して見守っているのです。