玉砂利(たまじゃり)

 
大きな神社には、
本殿周辺などに玉砂利を敷いているところが多いと思います。
ザクザクという響きは心を洗うようですよね。
 
 

清浄無垢を表す

神社の参道には、清浄な玉砂利が敷き詰められています。
一方、寺院の境内には玉砂利ではなく、石畳とされることが一般的です。
 
神道で玉砂利は、魂(たましい)、御霊(みたま)を意味しています。
「霊魂」の籠もった大切な小さい石である「玉砂利」を、
参道に敷き詰めることは、
神聖な神社の場所をお祓い・お清めする意味があります。 
日本には、神聖な場所をより清浄にするために
綺麗な石を敷く習慣があります。
代表的なものでは、伊勢神宮の「白石」などがそれに当たります。
伊勢神宮では、式年遷宮の中に「お白石持(しらいしもち)行事」と言って、
新しく造られた社殿の周囲に
宮川上流から拾い集めた白石を敷き詰める行事があります。
普段、一般の人は正殿がある板垣の内側には入ることは出来ませんが、
この時だけは一般の人でも正殿近くまで行くことが出来るので、
とても人気のある行事になっています。
(勿論、参加するには条件があります)
 
この行事で通過われる白石は、ただ川から拾い集めたものではありません。
厳密な基準に従って集められ、お清めを受けた石、
いわば「清純無垢な石」だけです。
そうして正殿とその周辺は、神様がいらっしゃる場所として
特に清浄な状態を保つようにされているのです。
 

isesengu.jp

 

実用的な意味

更に実用的な面もあります。
その一つは「ぬかるみ対策」です。
地面が土のままだと、雨天や雨の後などはぬかるんでしまいます。
これに対して玉砂利は泥が跳ねを防ぎ、
排水性が良いので儀式が行いやすくなります。
 
また、「雑草防止対策」としての役割も大きかったと思われます。
自然と調和した神社とはいえ、
雑草で埋もれているというのでは、神聖さは台無し。
玉砂利を厚く敷き詰めると、
雑草は生えにくくなるし、生えてきても抜くは容易です。
 

f:id:linderabella:20210311155416j:plain