彼岸そば(ひがんそば)

 
お彼岸の行事食と言えば、
「ぼたもち」「おはぎ」ですが、
最近では「彼岸蕎麦」(ひがんそば)
広まっています。
季節の変わり目は、気温や湿度の変化から
体調を崩しやすいため、
春と秋の彼岸に胃腸に優しい蕎麦を食べて、
内臓を清め、
体調を万全にしようという食養生です。
 
 

彼岸そば

「暑さ寒さも彼岸まで」
昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言われる通り、
「秋の彼岸」前後の時期は、暑い夏も過ぎて
季節の変わり目に当たることから、
気温の変化などで体調を崩しやすいことから、
胃腸に優しい蕎麦やうどんで胃腸を整え、
体調を万全にしようという習慣があります。
「彼岸そば」や「彼岸うどん」として
定着したと言われています。
 
 
「蕎麦を食べて体を清めてから先祖を迎える」
「食物繊維」や「ミネラル」が豊富な
蕎麦を食べることは、
「五臓六腑の汚れを清める」と言われ、
お彼岸には「蕎麦を食べて体を清めてから
先祖を迎える」という言い伝えが広まり、
それが「彼岸そば」となって、
生活の節目に欠かせないものになりました。
 
元々、「寺」と「蕎麦」は関係が深く、
「寺方そば」(てらかたそば)という言葉もあり、
今でも「精進料理」として
「蕎麦」が提供されることも一般的です。
 
「寺方そば」(てらかたそば)とは、
古くから寺で作られていた蕎麦のこと。
蕎麦は五穀(米・麦・粟・豆・黍[稗])に含まれず、「五穀断ち」といった荒行をする僧侶にとって
蕎麦は重要な栄養源となっていました。
 
  
 
「新蕎麦」「秋新」
「秋の彼岸」の時期は、様々な農作物が
収穫の時期を迎えようとする頃ですが、
北海道では、6月にまいた蕎麦が収穫期を迎え、
麦好きが首を長くして待っていた、
香り高く味わい深い「新蕎麦」の季節到来です。
 

「蕎麦」が縁起物とされる理由

ハレの蕎麦
 
蕎麦(そば)は、江戸時代から「福そば」と呼ばれ、
縁起物として縁起の良い食べものでした。
「ハレの蕎麦」として、
「年越しそば」「節分そば」「引越そば」など、人生の節目節目に食べられてきました。

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金運アップ
また江戸時代には、金細工師が
作業で散らかった金品を集めるために
蕎麦粉を使っていたことから
お金を集める、すなわち金運を上げようという、
縁起担ぎが込められるようになりました。
 
 
悪縁を断ち切る
蕎麦は、うどんなどと比較しても
非常に切れやすいことから、
「悪い縁を断ち切る」とか
「厄災との縁を断ち切る」という意味も
あります。
 
延命長寿を願う
長く伸びる蕎麦にあやかって
「そばを食べると長生きする」とか、
「そばのように細く長く生きる」と
言われてきました。
 
実際、蕎麦には様々な健康効果があることから、
「そば好きは健康で長生きだ」と
昔からよく言われています。
 

蕎麦の栄養効果

 
「蕎麦」はその美味しさもさることながら、
様々な栄養素が含まれていることから、
「健康に良い」というイメージが定着していて、
近年は、「スーパーフード」としても
注目されています。
 
ポリフェノールの一種「ルチン」
 
「蕎麦」には、ポリフェノールの一種
「ルチン」という成分が含まれています。
「ルチン」は毛細血管を強化する働きがあり、
動脈硬化・高血圧を改善する効果もあると
言われています。
 
また「ルチン」には「抗酸化作用」があります。
そのため、老化を防ぐ効果があり、
ひいては認知症の予防も期待されています。
 
なお「ルチン」を含む食品は、
穀物の中では「蕎麦」だけです。
また「ルチン」は水溶性なので、
「そば湯」も飲むとよいでしょう。
 
「コリン」
肝臓を保護すると共に脂肪をつきづらくし、
脂肪肝などを予防する効果もあります。
 
ビタミンB群
ビタミンB1やB2は疲労回復に役立ち、
体の免疫力を高め皮膚の粘膜を強化します。
 
必須アミノ酸
必須アミノ酸の「リジン」「トリプトファン」
「メチオニン」「シスチン」などが
含まれています。
必須アミノ酸は体の生成には欠かせない成分ですから、蕎麦を食べることは丈夫な体作りと病気になりにくいということに繋がります。
 
食物繊維
便秘の予防やコレステロールの増加を抑える
食物繊維を含み、消化吸収のよいのが
特色です。