するめ

 
日本においては古くからイカを食用としており、
保存が出来る乾物加工品としての「するめ」も古い歴史があります。
古典的な儀式や儀礼の場では「縁起物」として扱われてきました。
 
 

するめ

「するめ」の語源は、
墨を吐き、群れる事から来る「スミムレ(墨群れ)」が
「するめ」を経て転訛したものと考えられています。
現在では、加工後の干物を「するめ」と呼び、
その材料となる本種を「するめいか」と呼ぶのが普通です。
 

 
但し、
「剣先いか」を使ったするめが最高級とされ「一番するめ」と呼ばれ、
「するめいか」を原料としたものは「二番するめ」と呼ばれています。
 

 
 

結納品の代表

 
「するめ」は、「結納品」の一つとして祝い事には欠かせない存在です。
「するめ」は干すことで長期間保存出来ることから、
「するめのように長持ちする嫁になって欲しい」
「結婚生活が末永く続いて欲しい」と言う意味づけがされています。
 
「するめ」を漢字で表すと、
「鯣烏賊」「須留女」「寿留女」など当て字もあります。
 
「寿留女」には、
「寿を留る(留める)女」と言う意味があり、
「寿」=長寿・幸福 「留」=一生嫁ぎ先に留まること
「女」は良い妻であるようにという願いが込められています。
 
「寿畄芽」には、
「(噛めば噛むほど)味の出る仲良き夫婦になるように」
という願いが込められています。
 
 

縁起を担ぐ「あたりめ」

 
するめの「する」は、
博打でお金が無くなる意味の「擦る」や、
財布やお金を盗む意味の「掏る」に通じ、縁起が悪いとされました。
 
そのため「当たり」に言い換えて、
「あたりめ」と呼ばれるようになりました。
「あたり鉢(すり鉢)」、「あたり棒(すりこ木)」、
「あたりがね(すり金)」も同じように言い換えられていますね。
 
 

土俵にするめが埋めている?

大相撲の本場所初日の前日には、
事故や災難に見舞われないように、
何事もなく行われるようにと祈願する 「土俵祭り」があります。
その中の「縁起物鎮め」と呼ばれる行事では、
土俵の中央に穴を掘ってお神酒を注ぎ、
するめ、勝栗、昆布、洗米、カヤの実が埋められます。
 

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