灯籠(とうろう)

 
 
「灯籠」は神仏に灯明(とうみょう)を灯すためのもので、
石像や金属製で独立して境内に建つものと、
「釣灯籠」(つりどうろう)と言って、
拝殿や回廊に吊るされているものがあります。
春日大社、厳島神社、談山神社にある「釣灯籠」が有名です。
 

 
元々「灯籠」は、寺院に建てられていたものです。
仏教では、
人間は無明(むみょう;真理を知らない状態)の闇に彷徨う存在と
考えます。
お釈迦様は亡くなった後に
「自灯明(自らの心・魂を灯とせよ)」
「法灯明(お釈迦様の残した教えを灯とせよ)」
という言葉を残したと言われているように、
人間には何らかの灯が必要です。
「灯籠」はその象徴として建てられるようになりました。
 
 
「灯籠」は、古くは奈良時代からあり、
社殿・御堂前の中央に単独(一基)で建てられました。
その後、左右対に建立されるようになりました。
 
「灯籠」は、氏子や崇敬者からの寄進が主で、
その神社への信仰の厚さや由緒など、
ある意味、信仰史の一部でもあります。
例えば、海上交通の守護神である大阪にある住吉大社には、
江戸時代を中心に、
約六百基の石灯籠が海運業者などによって奉納されています。
 
古さと数の多さでは、
何と言っても東照宮(上野・芝・日光・久能山)の灯籠が有名です。
 

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